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議会報告 川崎市政

亡国は、危機を危機と認識しないことからはじまる2017/09/12    

実質GDPが6期連続でプラス成長したことが殊更にクローズアップされ、あたかも日本経済が上向いているような報道がなされています。

しかし、①消費者物価指数、②単位労働コスト、③デフレーター、④GDPギャップ、という政府が「デフレ脱却の4条件」としているそれぞれの指標はいずれも好転していません。

実質GDPが成長しているのは、デフレーターというインフレ率がマイナス化しているからです。

少なくとも、実質GDPもプラス、デフレーターもプラス、名目GDPもプラス、という状況が継続化されなければデフレを脱却したとは言えない。

企業の内部留保が増えているのは業績の良さというよりもデフレの長期化で新たな投資先が見つけにくいからでしょうし、失業率と有効求人倍率が改善しているのは生産年齢人口(15~64歳人口)の減少によるものです。

何よりも、失業率が改善しているにも関わらず、実質賃金が上昇していないのは国民経済として深刻です。

株主資本主義(グローバリズム)の進展によって、企業は労働分配率をできうる限り引き下げて、グローバル株主への配当を増やしています。

それが、失業率の低下にも関わらず実質賃金が上昇していない理由の一つです。

また、とりわけグローバル企業が顕著ですが、企業は株主配当の原資になる純利益を拡大するために人件費の抑制を図ろうとします。

なるべく正規社員を減らし、派遣社員などの非正規社員を増やして人件費をカットしようとする。

ここでもまた賃金の抑制圧力が働くわけです。

生産年齢人口の減少による人手不足で、一人当たりの労働量は増えているのに、働けど働けど実質賃金が上昇しない。

実質賃金が上昇しないことで消費(需要)が低迷し、またデフレ化する。

低賃金労働力を確保しているグローバル企業は、それでも儲かるのです。

要するに、デフレ化すればするほどに儲かる企業、それがグローバル企業です。

結果、デフレとグローバリズムが継続するかぎり、低賃金労働者はグローバル企業やグローバル投資家たちの奴隷になってしまうわけです。

むろん、グローバル経済の恩恵を受けることのない中小零細企業もまた、その被害者になります。

川崎の地元経済も疲弊しています。

モノやサービスが売れるとインフレ率は上昇します。

逆に、モノやサービスが売れないとインフレ率は低迷します。

上のグラフのとおり、川崎市のインフレ率をみると、ゼロ%台が続いています。

私の知る多くの商店主さんが、昨年よりも今年のほうが景気は酷い、と口を揃えて仰せです。

なのに、政府も地方行政も、デフレ脱却のための正しい処方箋を示してくれません。

デフレ脱却のための正しい処方箋とは、行政による長期計画に基づいた財政支出です。

昨日(9月11日)行われた川崎市議会での代表質問のやり取りを聞いていても、議会側からも行政側からも共にデフレの「デ」の字も出てきませんでした。

亡国とは一発のミサイルによってもたらされるのではなく、危機を危機と認識せず何の対処もしないことから徐々にもたらされるのではないでしょうか。