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議会報告 政治・経済

時代錯誤な「あの戦争」の反省2017/09/07    

米国は、核実験を強行した北朝鮮に対し、国連安保理による新たな制裁決議を目指しています。

その決議内容は、北朝鮮への石油の輸出を禁止し金正恩氏の資産を凍結する、というものだとか。

毎度お馴染みのパターンですが、ロシアとChinaは追加制裁に慎重で、米国の思惑どおりにはいかない模様です。

我が国の指導者たちが口を揃えて言う「国際社会による強い圧力」は、どうやら実現しそうにもありません。

ロシアのウラジオストクを訪れている安倍総理は今日、プーチン大統領と会談します。

プーチン大統領に対し安倍総理は、国連安保理での北朝鮮への強力な制裁決議の採択に協力を求める考えのようですが、どう考えても期待薄です。

なぜか?

北朝鮮情勢が緊迫したところでロシアは一向に困らない。

むしろ緊迫の度合いを増してもらったほうが、すでに覇権国としての退潮著しい米国の威信がさらに地に落ち、米国の主導する国際秩序の終わりの始まりが早まってくれる、とでも思っているのではないでしょうか。

ロシア、China、イランは、米国が主導する国際秩序を終わらせたい典型的なリビジョニスト国家です。

そんなロシアが日本のために、北朝鮮制裁にすんなりと応じるはずもありません。

残念ながら、地政学リスクが高まれば高まるほどに我が国の外交力は低下します。

「軍事なき外交」の悲しい性(さが)です。

今年もそうでしたが、我が国では毎年8月になると、日本一国お花畑平和主義者及びメディアらが必ず、「あの戦争を二度と繰り返すな…」運動を展開します。

「あの戦争」とは、むろん昭和20(1945)年に終わった大東亜戦争のことです。

ナポレオン戦争から第二次世界大戦に至るあの時代の戦争は、まさにクラウゼヴィッツのいう「絶対的戦争」の時代でした。

敵国の首都まで進軍し、敵の全国土を完全掌握し、巨額の賠償金をせしめて講和を結んで終結するという国家間決戦の時代です。

幸いにして「あの戦争」以降、国家間決戦による「絶対的戦争」はなくなりました。

なぜなら、超大国(覇権国)と核兵器が出現したからです。

西側の超大国(覇権国)の米国と、東側の超大国(覇権国)のソ連が互いに核兵器を保有しました。

二国以上の国が核兵器をもつと、互いに共倒れにならぬよう抑止力が働き国家間決戦はできなくなります。

また、核兵器をもたない国同士が国家間決戦を挑もうとしても、超大国(覇権国)の干渉によって、局地戦、制限戦、代理戦に留まることになります。

朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争などはまさにそれで、米ソの二大超大国(覇権国)による干渉(コントロール下)によって世界大戦には至らず、核兵器も使用されませんでした。

二大超大国(覇権国)時代の戦争による死者数は、「絶対的戦争」時代に比べて格段に減りました。

そして米ソによる二大超大国(覇権国)時代から、米国による一大超大国(覇権国)時代に入ると、いよいよ国家間戦争は姿を消して、世界各地で行われている多くの戦闘が局地戦や地域紛争に留まっています。

一大超大国(覇権国)時代の戦死者数は、二大超大国(覇権国)時代のそれに比べてもさらに減っています。

だからそれでいい、ということではなく、結果としてそのようになった、という話しです。

前述の「あの戦争」の時代は、外交の足らざるところを軍事で補う、という時代でしたが、絶対的戦争が過去のものとなった現在では、主権国家同士が「軍事を背景にした外交」を駆使することで国益を主張し世界の平和や秩序を構築する時代に変わりました。

要するに、戦うための軍隊から、外交の背景として存在するための軍隊の時代になったのです。

現に、北朝鮮が核による威嚇を行っている今日においても、米国であれ、ロシアであれ、Chinaであれ、韓国であれ、それぞれの国が軍事を背景にした外交を展開することで、自国の国益と平和を守ろうとしています。

唯一、我が国だけが「軍事なき外交」により、国益と平和が脅かされています。

「あの戦争」を反省されるのはご勝手な話しですが、とっくの昔に国際情勢は変わっており、「あの戦争」とは違った形の戦争を抑止しなければならない時代です。

繰り返しますが、軍事を背景にした外交を駆使することで世界(地域)の平和を構築する時代なのです。

そのことが結果として、我が国の平和を創出することになります。

“日本一国お花畑平和主義”は間違いです。

プーチン大統領の背景にある軍事と、安倍総理の背景にあるそれとでは格段の違いがあります。

プーチン大統領に聞く耳をもって欲しいと思うのであれば…