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議会報告 政治・経済

一国お花畑平和主義のツケ2017/09/04    

日本時間9月3日午後12時29分ごろ、北朝鮮北東部で大きな揺れが観測されたとのことです。

北朝鮮による6回目の核実験が実施された可能性が指摘されていますが、北朝鮮の国営テレビは「大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載のため、水爆実験に完全成功した」と発表しています。

米地質調査所(USGS)によると、揺れの規模はマグニチュード(M)6.3、震源の深さは0キロとのことで、それが事実であるとすれば北朝鮮による過去最大級の核実験ということになります。

9月9日は、北朝鮮の建国記念日です。

よって、この一週間はかなり高度な緊張状態が続きます。

事ここに至って世間はけっこう呑気なご様子ですが、場合によっては日本の領土内にミサイルが飛来する可能性もあり、飛来せずとも何らかの挑発行為で戦争が勃発する可能性すらあると私は推察しています。

むろん、はずれて欲しい推察ですが…

そこで改めて、我が国と北朝鮮及び朝鮮半島との政治・軍事上の法的な関わりについて確認しておきたいと思います。

1950年6月にはじまった朝鮮戦争は3年間の紆余曲折を経て、1953年7月に休戦状態に至りました。

この休戦協定を調印した南側の当事者は朝鮮国連軍総司令官マーク・クラーク大将でしたが、7月27日の協定調印にあたって、朝鮮国連軍に参加した韓国を除く16カ国が共同宣言(朝鮮国連軍参戦16カ国共同政策宣言)を発し、その中で「国連軍司令官の休戦協定の決定を支持する」との立場を表明しています。

それと同時に「我々は国連の原則に再び挑戦して武力攻撃が再開される場合には、再び一致して直ちに抗戦するであろうことを世界平和のために確認する」ことを明らかにしました。

因みに参戦16カ国とは、米国・英国・トルコ・カナダ・ オーストラリア・フランス・タイ・オランダ・ニュージーランド・ 南アフリカ共和国・ コロンビア・ギリシア・ベルギー・エチオピア・フィリピン・ルクセンブルグです。

「朝鮮戦争は64年前に終わった」と誤解されている人が多くおられますが、以上のように、この戦争はまだ終わっていません。

その更なる証拠として、朝鮮戦争は未だ講和条約が締結されず、対北朝鮮を前提にした米韓共同軍事演習が毎年(年に3回)行われており、今なお朝鮮国連軍の司令部が存在しています。

朝鮮国連軍司令部は普段から、休戦が守られているかどうかを監視しているとともに、休戦条約が破られたときに備えています。

その司令部はソウル・米軍龍山(ヨンサン)駐屯地内にありますが、後方司令部は東京の横田基地内にあります。

横田のほか、沖縄県の普天間、嘉手納、ホワイトビーチ、神奈川県の座間、横須賀、長崎県の佐世保が国連軍の基地に指定されています。

それら7カ所の基地を、我が国は国連加盟国としての責務を果たすために自発的に国連軍に供しています。

この在日国連軍基地のことを知っている政治家はほとんど皆無ですが、これらは1954年に日・米・英・仏を含む10カ国によって調印され成立した『国連軍地位協定』に基づくものです。

さて、1993年から1994年にかけて米朝関係が緊迫したとき、米軍は国連軍としては戦わない予定であったという情報もありますが、その真偽は定かではありません。

また再び朝鮮半島で紛争が起こっても国連軍は編成されないだろうという国際政治学者や識者もおられます。

その一方、北朝鮮が休戦条約に違反して再び韓国領内に侵攻したなら、自動的に国連軍は動員されるようになっている、と明言する識者もおられるなど、その意見は割れています。

北朝鮮は1991年に国連に加盟して以来、安全保障理事会に対して国連軍司令部の解体を何度となく要求していますが、これは未だに認められていません。

北朝鮮がその過大な軍備を削減しない限り、安保理はそれに応じないわけです。

さて、そうした背景の上に現在の危機があることを認識したうえで、北朝鮮の核とミサイルという具体的脅威への対処を考えなければなりません。

北朝鮮の最終目標が、自らが主導する朝鮮半島の統一であるかぎり、彼らが韓国に対して先制核ミサイル攻撃をすることはありえません。

ましてや、米国・シナ・ロシアという核保有国に対してそれを行う筈もありません。

唯一、我が国への攻撃だけがその可能性をもちます。

とはいえ、悲しい現実として、我が国の軍事力が独力でその攻撃を阻止することは不可能で、また反撃力によってそれを抑止することもできません。

もし仮に、北朝鮮が在日米軍基地、あるいは日本国内の朝鮮国連軍基地ではなく、それ以外の日本の領土(例えば、地方の山奥)に核ではないミサイルを発射したとしたらどうなるでしょう。

韓国や米国への攻撃でもなければ、朝鮮国連軍への攻撃でもない。

明らかなる我が国に対する急迫不正の攻撃です。

日本海のイージス艦から発射されるSM-3、もしくは地上に配備しているパトリオットミサイルでそれを撃ち落とせれば良いのですが、その能力は必ずしも100%ではありません。

「ちょっと待て、そのために日米安保があるんじゃないか…」と思われるかもしれませんが、日米安保では、米国が日本の自衛隊に先んじて当該敵国と戦う義務を負うようにはなっていません。

あくまでも、まずは攻撃を受けた日本国が主体的に戦い、それを同盟国たる米国が支援する、というのが日米安保です。

強兵なき富国を追及し続けてきた戦後日本による「一国お花畑平和主義」のツケが、今まさに深刻な危機として目前に迫っています。