〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

デフレ脱却の4条件2017/08/30    

きのう(8月29日)、ある政府関係者の方から貴重なお話しをお聞きする機会がありました。

今の霞ヶ関および永田町では、4-6月期の実質GDP成長率が4%もあったことから「日本の景気は着実に良くなっている」という空気が支配的なのだそうです。

それを聞いて、やっぱりそうだったのか…と思いました。

実質GDPは、統計上の欠点からデフレによってプラスに転じてしまうことがあります。

現在の日本がまさにその状態です。

本来は、実質GDPもプラス、名目GDPもプラス、物価上昇率もプラス、実質賃金もプラス、という各種条件が揃わないと「デフレ脱却」とは言えません。

いつも言いますのように、実質GDPは名目GDPを物価上昇率(デフレーター)で割って算出しますので、デフレで物価上昇率がマイナスになると実質GDPは景気と関係なくプラス化してしまうのです。

そういう理解が乏しい人たちは、実質GDPの成長率だけを単体でみて「やったぁ、プラスだぁ」とやります。

困ったことに、霞が関および永田町では、景気が良くなっているという誤解から「だったら景気対策(大型補正)は要らないよね」となっているのだそうです。

一方、たいへんに勉強になったのですが、政府には「デフレ脱却の4条件」という正式な物差しが一応は設定されているのだそうです。

2006年3月に「デフレ脱却」を「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」と定義した上で、この定義に基づき次の「デフレ脱却4条件」を定めたとのこと。
①CPI(消費者物価指数)
②デフレーター
③需給ギャップ(GDPギャップ)
④単位労働コスト

なるほど①②は良いとしても、③の需給ギャップは竹中平蔵(構造)改革時代に算出方法が恣意的に変更され、現実のデフレギャップよりも小さくみえるようになっていますし、④の単位労働コストは生産性向上によって小さくなることもあるので、やはり本来は実質賃金および実質消費等でみるべきだと思います。

ただ、百歩譲って、政府が決めた4条件に照らし合わせても現在はデフレです。

まず①の消費者物価指数【食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合】は6カ月連続のマイナス。

次いで②のデフレーターは、1-3月期はマイナス0.4で、4-6月期がわずか0.2という状況。

③のGDPギャップも、より小さめにみえる竹中基準でさえ、4-6月期はわずか0.8%のプラスでほぼゼロです。

とてもとても「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがない」と言えるような数値でありません。

④の単位労働コストも一貫して下がり続けています。

以上のように、政府が正式に決めた「デフレ脱却の4条件」ですらまともに充たしていないのに、どうして「補正(デフレ対策)は要らない」という空気になるのでしょうか。