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議会報告 政治・経済

経済学者への不信2017/08/28    

白井何某という経済学者がいます。

2016年の3月まで、日本銀行の政策委員会審議委員をされていた方で、ウィキペディアによると、専門分野は国際経済学、マクロ経済学、アジア経済論、通貨政策だそうです。

白井先生は、たびたび朝の経済番組に出演されるのですが、これがまた酷い。

今朝も酷かった。

白井先生は、前日銀総裁の白川時代の実質成長率と、黒田現総裁のそれとを比較してみると、あまり差がないことを前提に次のように述べました。

「黒田日銀の下での実質成長率は、主として財政拡大によるものなので、全体の経済活動が広がっているわけではない」とのこと。

一応は専門家であられるのだから、なるべく「全体の経済活動」などという抽象表現を使うのはやめてほしいものですが、まぁそれはそれとして…

要するに、同じ金融緩和でも白川日銀の経済成長は本物だが、財政拡大に依存した黒田日銀による経済成長は本物ではない、とのことです。

すごいですね…民需こそが本物の需要で、公儒などは需要に値しないと言い切れるところが。

だったら、国防、道路整備、救急搬送、治安維持、戸籍管理、エネルギーや食料などの安全保障の確保、不採算な福祉分野など、これらの公的サービスはいったい誰がやるのか。

つまり公的需要も国民経済にとって立派な需要なのです。

よく、公務員は何も付加価値を生んでいないように言う人がおられますが、それは明らかな認識不足で、公務員は公的サービスという付加価値を国民に提供しています。

因みに、民間との大きな違いは「利益を追求していない」という点です。

それから、経済学者・白井先生はもう一つ大きな間違いを発言されています。

白井先生によれば、黒田日銀の下での経済成長は「安倍政権(第二次安倍政権)による財政拡大によるものだ」とのことですが、安倍政権はほとんど財政拡大(財政出動)などしていません。(初年度に少しだけやりましたけど)

民主党政権が発足したのが2009年9月で、第二次安倍政権が発足したのは2012年12月です。

上のグラフのとおり、安倍政権による歳出総額は、民主党政権時代の歳出総額とそれほどに変わっていません。

むしろ公債発行額は、民主党政権のときよりも抑制されています。

つまり安倍政権は、民主党政権以上に緊縮財政内閣なのです。

なので白井先生は、二重に恥をかいていることになります。

一つは、財政拡大による公的需要の創出が需要に値しないという不見識。

二つ目は、そもそも安倍政権(黒田日銀)は財政拡大などしていないということ。

公債発行額が明らかに縮小しているのに、それでどうして財政が拡大していると解釈できるのか本当に不思議です。

予測を間違えることは、どんな専門家にも大いにあり得ることでしょう。

でも、基本的な現状認識すらを間違えられると、日本国民にとってはけっこう辛いものがあります。

まことに失礼ながら、この程度の専門家が、つい最近まで日本銀行の政策委員会で審議委員をされていたというのですから、デフレなど脱却できるはずもないですね。

例えば白井先生に、デフレとは何か、あるいはデフレの何が問題なのかを質問したところで、きっと満足なお答えは返ってこないでしょう。

わたくし的には、経済学者への不信が募るばかりです。