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議会報告 政治・経済

都合よく指標の定義を変えてしまう姑息さ2017/08/25    

本日(8月25日)、総務省から消費者物価指数が発表されました。

消費者物価指数とは、モノやサービスなどの価格(物価)がどの程度上がっているのか、あるいは下がっているのかを把握する統計です。

前月と比べてどうか、もしくは前年同月と比べてどうかなど、それぞれ個別の商品ごとに全国各地で調査しています。

消費者物価が継続的に上昇していれば、モノやサービスの購入が盛んになっていることを示し、下落していればその逆です。

ただし、例えば消費税の増税などにより強制的に物価が上昇する場合などがありますので、あらゆる条件を考慮しながら観察しなければなりません。

さて、発表によれば…

まず、総合消費者物価指数は、2015年を100として100.1で、前年同月比は0.4%の上昇。

次いで、日本銀行がターゲットにしているコアCPI(生鮮食品を除く総合指数)は、同じく2015年を100として100.1で、 前年同月比は0.5%の上昇。

更に、コアコアCPI(生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数)は、2015年を100として100.6で、前年同月比は0.1%の上昇でした。

デフレを認めたくない財務省にひたすら尻尾を振っているメディアらは、今回の発表を受けて「プラス幅が増えた」と嬉しそうに報道しています。

彼らの悪意を感じる報道の共通点は、その月の絶対値だけをつまみ食いして楽観的に報道することです。

数字なるものは、時系列で相対化してみないと、その実態を正確に把握することができません。

消費者物価指数には、その種類が複数あります。

代表的なものが前述のとおり、生鮮食品を除いた総合消費者物価指数(コアCPI)、あるいは生鮮食品とエネルギーを除いた総合消費者物価指数(コアコアCPI)です。

コアコアCPIについては、酒類を含めたものもあれば除いたものもあります。

お酒は特殊な消費ですので、景気による変動を見極めるには酒類を除いたコアコアCPIでみるほうがより正確だと思います。

つい最近まで、総務省は酒類を除いたコアコアCPIで発表していたのですが、なぜか最近では酒類を含めたコアコアCPIで発表しています。

おそらくは酒類を含めたほうが高めの数値が出るからでしょう、きっと!

そこで、酒類を含めたコアコアCPI、酒類を含めないコアコアCPI、それぞれの推移を比較してみましょう。

案の定、2014年4月の消費税増税(5%→8%)以降、酒類を含めたコアコアCPIのほうが高めの数値になっています。

なので、ある時期からコアコアCPIの定義を「酒類を含めたもの」にこっそりと変えたのでしょう。

実に姑息です。

一方、日銀が目標指標(ターゲット)にしているコアCPI(生鮮食品を除く総合)が前年同月比で0.5%のプラスとのことですが、コアCPIにはエネルギー価格が含まれています。

ご承知のとおり、ここのところ原油価格(WTI)が上昇しています。

よって、最近のコアCPIの上昇は原油価格の上昇の結果であり、けっして需要拡大(デフレ脱却)によるものではないと思われます。

しかも、コアCPIが上昇したとはいえ、日銀のターゲットである2%には遠く及んでいません。

また、コアコアCPIにしても、酒類を除いたものでみると依然としてマイナスです。

緊縮財政派は、単月でみた数値が若干プラス化していることで「現在の経済情勢はデフレではない、だから景気対策は要らない」とでも言いたいのでしょうが、以上のように詳細にみていくと、依然として日本経済がデフレであることに疑いの余地はありません。