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議会報告 川崎市政

家計簿ポリティシャン2017/08/24    

私は、国家財政や地方自治体の財政運営を「家計簿的発想」で行うことの愚劣さを訴えております。

その理由は至ってシンプルで、行財政と家計簿とではその仕組みや各種前提条件がまったく異なるからです。

例えば、私たち一般国民(家計)は返済期限のきた借金は必ず返さなければなりません。

当然ですよね。

ところが、政府の場合、借りたおカネ(国債)の返済期限がきたからといって、必ずしもそのすべてを返済しなければならないということはありません。

現に日本政府の国家予算(平成28年度決算)をみますと、返済期限のきた国債について、なんと109.1兆円が借り換え(ロールオーバー)されています。

川崎市政もしかりで、やはり平成28年度決算ベースでみますと、382億円が借り換えされています。

中央政府も地方政府も、毎年このように借金の借り換えを行っています。

むろん、合法的にです。

つまり政府や地方自治体とは、こういうことができる存在なのです。

では、どうしてこのようなことが許されるのでしょうか?

それは、私たち個人には寿命という「命の限り」がありますが、国家行政には原則として寿命がないからです。

むろん日本という国家が将来的に消滅する可能性が絶対的にゼロではありませんが、半永久的に存続することが前提として成り立っています。

これをゴーイング・コンサーンと言います。

要するに、借金は常に完済されなければならない家計と、その必要のない政府とでは根本的に前提条件が異なるのです。

ましてや、中央銀行たる日本銀行が政府の国債や川崎市など地方自治体の地方債を購入すると、今度は借金そのものが消滅します。

嘘みたいな話しですが、本当です。

なぜならば、政府や中央銀行には通貨発行権があるからです。

このことこそ、政府と家計の決定的な違いといっていい。

「だったら無限に借金を拡大することができるじゃないか?」という疑問をお持ちになられるかもしれません。

政府の国債発行にも、むろん制約があります。

中央銀行(日本銀行)が政府や自治体の債券を購入するということは、即ち「通貨の発行」を意味しています。

通貨が発行されたとき、その通貨量に見合う供給能力(モノやサービスを生産する力)が維持できなければ、通貨の価値は下落します。

なので国家の場合、供給能力の上限こそが借金拡大の「制約」になります。

供給を需要が上回り続けると、インフレ率が上昇していきますので。

とはいえ、現在の日本はデフレという供給過剰状態です。

ほぼ制約は無いに等しい状況です。

因みに、通貨が発行されても、それが銀行(日銀当座預金)に滞留しているだけではインフレ率は一向に上昇しません。

誰かが借りて使わないかぎり、インフレ率は上昇しないのです。

デフレの今、政府以外に借りて使える経済主体はありません。

なのに家計簿的発想(家計簿ポリティクス)が、それを阻んでデフレを助長しています。

現在、民進党の代表選挙が行われていますが、残念ながら二人の候補者の主張を聞くかぎり、ともに「家計簿ポッリティシャン」のようです。