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議会報告 政治・経済

行き場のないおカネ2017/08/21    

日本国内には行き場のないおカネが滞留しています。

経済が成長するためには、「マネーストック」という社会全体に流れるおカネの量が増えていかなければなりません。

例えば、企業Aが〇〇銀行に1億円を預けているとします。

当然のことながら、〇〇銀行はその1億円を何かで運用して利回りを稼がなければなりません。

そこで〇〇銀行は、企業Bに1億円を融資することにしました。

このとき、企業Bのバランスシート(貸借対照表)の借方(資産側)には現金(預金)として1億円が計上され、貸方(負債側)には銀行からの借入金として1億円が計上されます。

一方、おカネを貸し付けた〇〇銀行のバランスシートの借方(資産)側に企業Bへの貸付金として1億円が、貸方(負債)側には企業Bの銀行預金1億円が計上されます。

要するに、企業Bがおカネを借りた瞬間に、マネーストックが「1億円」分増えたということです。

その企業Bが、今度は企業Cから1億円の仕入れをしたとします。

1億円を受け取った企業Cは、その1億円を再び〇〇銀行に預けます。

むろん、〇〇銀行はその1億円を金庫で眠らせておくわけにはいきません。

誰かに貸し付けて利回りを稼ぐ必要があります。

即ち、ここでまた1億円のマネーストックが増えることになります。

このようにして銀行と企業の間をおカネが繰り返しやり取りされていくことで、社会全体に流れるおカネの量(マネーストック)が増加して、経済が成長していくわけです。

ところが現在の日本では、このおカネの流れが滞っていて、マネーストックが増えなくなっています。

どうしてでしょうか?

答えは簡単で、デフレで投資先の乏しい企業が多く、なかなか銀行からおカネを借りてくれないからです。

一方、企業が保有している現金や預金、即ち内部留保をみてみますと下のグラフのとおりです。

ついに2016年度の企業の内部留保は、250兆円を超えてしまいました。

先ほどのバランスシートの話しにもどりますが、企業や家計が銀行に預けたおカネ(預金)は、銀行のバランスシートの貸方(負債)に計上されるという点がポイントです。

つまり銀行は、預かったおカネを何かで運用して稼がないと、借方(資産)側が目減りして銀行の「逆ザヤ」になってしまうのです。

そこで、家計が保有する現金・預金の推移もみてみましょう。

上のグラフのとおり、ものすごい勢いで増えています。

こうして企業や家計の預金が滞留しているということは、銀行がとてつもない負債を背負っているという話しでもあります。

銀行にしてみれば、貸したいおカネがたくさんあるのに「借り手」がいない。

とはいえ、本来は、その借り手に返済能力さえあれば、銀行は預金など募らなくともいくらでもおカネを貸出すことが可能です。(いわゆる万年筆マネー)

にもかかわらず、あまりにも借り手がいないものだから、預金が預金のまま滞留しているわけです。

であるからこそ、今は政府が借りて使うべきときなのです。

デフレ期には政府による新たな借金こそが経済成長のトリガーであり、そのことでデフレギャップを埋め、企業の投資需要をつくってあげればいい。

なのに…

ネオリベラリズム(新自由主義)は、ことさらに政府の存在そのものを否定し、あまつさえ財政出動(政府の負債拡大)をさせようとしません。

彼ら彼女らは「政府が借金を拡大すると、市場のおカネが吸い上げられ、金利上昇を招いてインフレになるぅ~」という恐怖プロパガンダを唱え続けて、いっこうに日本をデフレから脱却させない。

本当に悪い奴らだと思います。

我が国はデフレによって、これほどに国力を衰退させているというのに、どうしてそんなにも過度にインフレを恐れるのか理解に苦しむほかありません。

評論家の中野剛志先生のお言葉をお借りすると「餓死して死にそうな人が肥満を恐れて何も食べないのと同じ」です。

ついでに、我が国の政府負債残高の増加率は、先進主要国と比較しても極めて低い水準であることも申し添えておきます。