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議会報告 政治・経済

改めて証明されたインフラ整備の重要性2017/08/20    

内閣官房参与の藤井聡先生(京都大学教授)らが、『経済成長とインフラの整備水準の関係性に関する国際比較研究』により、道路や高速鉄道の整備が国内総生産(GDP)の成長に寄与していることを明らかにされました。

藤井先生らは、欧米の先進各国に比べて交通インフラ整備が低水準にある我が国が経済成長を果たすためには、特に道路・鉄道の質的・量的な拡張への投資が必要であることを指摘されています。

上記研究は、先進・資本主義国やそれ以外の経済協力開発機構(OECD)及び主要20カ国・地域首脳会議加盟国を対象にして…
(1)自動車1台当たり総道路延長
(2)自動車1台当たり高速道路延長
(3)人口1人当たり総鉄道延長
(4)人口1人当たり高速鉄道延長
…の4点を指標に比較分析を行ったとのことです。

このうち、先進・資本主義国では、2003年と2013年を比較したGDP成長率と、総道路延長、総鉄道延長、高速鉄道延長には正の相関関係があるとのことです。

とりわけ現在の我が国は、他の先進・資本主義国に比べて総道路延長や総鉄道延長が低水準にあり、それと連動する形でGDP成長率も低い水準にとどまっていることが藤井先生らの研究により裏付けられたことになります。

やはり経済成長には、道路・鉄道への投資が極めて重要なのです。

なお藤井先生によれば、日本の交通インフラが低水準にある理由について、「他の先進諸国では人口分布にかかわらず整備が行われているのに対し、日本は人口の多い東京を中心に投資が行われてきた」ことを挙げておられます。

要するに、地方が衰退しているのはインフラの貧困化が原因であり、「地方には人口が少ないからインフラを整備しない」という考え方がそもそも間違っているということです。

全国的にインフラが整備されることでGDPが成長し、GDPが成長することで国民の所得が増え、国民の所得が増えることで税収も増え、税収が増えることで財政再建も進むわけです。

さてそこで、我が国の公的資本形成(公共事業費から用地買収費を除いたもの)の推移をみてましょう。

日本経済をデフレに突入させたのは、橋本内閣です。

その橋本内閣が消費税を増税(3%→5%)し、緊縮財政をはじめたのが1997年です。

よって、我が国の公共事業のピークは増税前年の1996年となり、以後、一貫して減らされつづけ、上のグラフのとおり今やピーク時の約半分にまで落ち込んでいます。

参考までに、主要都市における環状道路の整備率をみますと、下のグラフのとおりです。

さらに、一人当たりの高速鉄道の路線延長をみます。

ドイツが日本よりも低いのは、彼の国は道路網を重視しているからです。

その重視具合をみますと、次のとおり半端じゃありません。

ドイツのそれは、まるでマスクメロンの表面のようにきめ細かく整備されているのが解ります。

日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアを比較すると、明らかに日本だけが「スカスカ」です。

こうした状況下にあるにも関わらず、「成熟化した日本には、もう公共事業は要らない」だの、「インフラ整備よりも、プライマリー・バランス(緊縮財政)が大事だぁ」だのと言われると、ほんと怒りを覚えます。