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議会報告 政治・経済

藪医者の処方箋2017/08/15    

昨日(8月14日)、本年4月から6月までのGDP(国内総生産)の1次速報値が発表されました。

それをNHKは、次のように報道しています。

『4~6月GDP 年率+4.0% 6期連続プラス
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170814/k10011099011000.html

ことし4月から6月までのGDP=国内総生産は、物価の変動を除いた実質の成長率が前の3か月と比べてプラス1.0%、年率に換算してプラス4.0%となりました。GDPがプラスとなるのは6期連続で、個人消費や企業の設備投資が全体を押し上げる形となりました。(後略)』

ここでは記事の冒頭部分しか掲載しておりませんが、これを読むとなんとなく景気が上向いているような印象をもたされそうです。

しかし、注意して読まなければならないのは記事の赤字部分です。

「物価の変動を除いた実質の成長率が前の3か月と比べてプラス1.0%、年率に換算してプラス4.0%となりました」

ご承知のとおり、現在はデフレです。

デフレ期における実質GDPの上昇は、注意深くみなければなりません。

実質GDP成長率とは、物価上昇分を除いたGDP成長率のことです。

例えば、あるパン屋さんが、一個100円のアンパンを一年間で20個売りました。

パン屋さんの売り上げは2,000円(名目GDP)です。

翌年、そのパン屋さんは、一年間で22個売ったのですが、デフレで物価が下落してアンパンの値段が一個90円になってしまいました。

この場合、パン屋さんの売り上げは、90円×22個で1980円(名目GDP)です。

売ったアンパンの数は2つ増えたのですが、それ以上に物価が下落してしまったために売上が前年に比べて20円も減っています。

これがデフレです。

ところがこのとき、実質GDP成長率は9.0%成長になります。

なぜなら、実質GDP成長率とは、物価の変動分を除きますので、単純に売った個数が実質GDPになってしまうわけです。

つまり、20個売れたアンパンが翌年には22個に増えたので、2÷22=0.09=9%という計算です。

前年は20個のアンパンをつくって2,000円を稼ぎつつも、今年は22個もつくって1,980円しか稼ぐことができなかったのに、それでも実質GDP成長率は9%だから「景気は良いんですよ」と言われても困ります。

要するに、実質GDPとは個数の総計のことです。

GDP統計では、総体的な個数を表す単位がないので便宜的に円で表示しています。

ところが、世の中に出回る商品は、アンパンのように個数を数えることのできる商品ばかりではありません。

サービス業のように個数化できない商品もあります。

つまり実質GDPは、直接的に統計をとることができないのです。

なので実質GDPは、直接的に統計をとることのできる名目GDPを物価上昇率(デフレーター)で割り込むことによって算出しています。

実質GDP = 名目GDP ÷ デフレーター(物価上昇率)

なのでデフレーターがマイナスになると、実質GDPはプラス化してしまうことになります。

これは統計上の欠点です。

今回、4-6月期の実質GDPが 年率で+4.0% という高い数字になった要因は、個人消費(耐久財)が大きく寄与したとのことです。

では、その耐久財のデフレーターをみてみましょう。

今回、発表された4-6月期(Q2)の耐久財のデフレーターは、-2.0%です。

これが個人消費の実質値を押し上げ、また全体の実質値をプラス化したわけです。

要するに、統計上の欠点から、更なるデフレ化によって実質GDPがプラス化しているようにみえているだけなのです。

正しい処方箋を示すには、病気の原因を正しく認識することが必要です。

その認識が間違えているから、正しい処方箋を示すことができない。

現在の安倍政権はまさにその状態です。

茂木敏充経済再生担当相は記者会見で「率直にいい数字だと思っている」なので「現段階で具体的に新たな経済対策は想定していない」と、発言しています。

バカも休み休み言ってほしい。

こうした藪医者たちが、日本経済の舵取りをしている実態を私ども日本国民は再度認識しなければなりません。