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議会報告 川崎市政

宮前メロンと弛まない投資2017/08/10    

川崎市の宮前区に、「宮前メロン」(マスクメロンの一種)という美味しいメロンを生産している2件の農家があります。

宮前メロンは昭和52年から栽培されていて、現在では贈答用としても大変に人気があります。

いま、その宮前メロンが消滅の危機に晒されています。

『川崎特産「宮前メロン」、担い手不足で消滅の危機
http://www.sankei.com/life/news/170809/lif1708090019-n1.html

川崎市宮前区の特産フルーツ「宮前メロン」が、生産農家の高齢化や後継者不在による担い手不足で、消滅の危機を迎えている。今年の生産量は最盛期の約3分の1の4千個。生産農家やJAセレサ川崎などの関係者は「このまま無くしてしまうのはもったいない。ブランドをなんとか残せないものか」と切実な思いを抱えている。(後略)』

産経新聞の記事とおり、危機の原因は、生産農家の高齢化や後継者不在による担い手不足です。

下のグラフのとおり、川崎市内の農家数は年々減少しています。

これは明らかに国策および川崎市政の失政による結果です。

農業は国民の胃袋を満たすという点において、我が国の食料安全保障を担っています。

にもかかわらず、我が国の政治は平然と農業を衰退させてきました。

例えば下のグラフのように、我が国の主要穀物の自給率は、お米を除いてまことに悲惨な状況になっています。

ジョージ・W・ブッシュ(元米国大統領)は「穀物を他国に依存している国は主権国家とはいえない」と、珍しくまともなことを言っていました。

上の二つのグラフをみても、我が国が主権国家とは呼べない状況にあるという現実を私たちは認識するべきだと思います。

このように言うと必ず「だからTPP等で貿易を振興し自給率の不足を賄うべきではないか」という意見がでてくるわけですが、この種の意見をもつ多くの人々が「有事」というものを全く想定していないことが問題です。

例えば、交渉が進められている日欧EPA(経済連携協定)によって、欧州産のチーズや牛乳等、安い乳製品が国内に入ってくれば、我が国の酪農家は次々に潰れていくことになるでしょう。

そこでもし天候不順や紛争など何らかの有事が欧州で発生したらどうなるでしょうか。

むろん、日本国民の手に入らないということです。

日欧EPAで日本の酪農を全滅させないためには、国内の酪農家に対する所得補償が必要です。

それが我が国の食糧安全保障というものです。

しかし現在の日本では、たちまちにして「農家は保護され過ぎだぁ~」という批判が渦巻くことでしょう。

これも大きな誤解で、日本ほど国家による農家の保護が行き届いていない先進国は他にありません。

下のグラフは、農業所得に占める直接支払い(財政負担)の割合です。

このように国際的に比較してみると、日本の農家はそれほどに保護されていないのです。

またご覧のとおり、スイス、英国、フランスなどの農家は所得の大部分が税金によって賄われています。

ほぼ公務員です。

なぜ、このようなことをスイスや英国やフランスの国民は許し認めているのでしょうか。

農業が国家の安全保障、いわゆる食料安全保障であることを理解しているからです。

さらに、農業算出額に対する農業予算の割合を比較してみましょう。

グラフのとおり、我が国の農業産出額に対する農業予算の割合は、欧米各国と比較してもかなり低くなっています。

こんな失政を続けてきた結果、どうなったか。

穀物(小麦、大豆、トウモロコシ)の輸入シェアをみてみると次のとおりです。

これだけをみても、我が国が米国の属国状態であることが解ります。

先進国とは、国民の需要を自国のリソースで満たすことのできる(割合の大きい)国家を指します。

防衛、防災、防犯、教育、医療、介護、エネルギー、物流、農業、これらはすべて国家安全保障の根幹をなす分野で、自国のリソース(ヒト、モノ、技術)で賄われなければなりません。

生産年齢人口比率が低下している我が国だからこそ、技術開発投資や設備投資などの投資が必要で、むろん農業分野もしかりです。

いまやAI(人工知能)ロボットでイチゴのもぎとり(収穫)ができる時代です。

メロンの収穫だって不可能ではないはずです。

こうした農業部門への投資によって、人手不足の解消を図るべきです。

すでに遅きに失していますが…今からでも!