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議会報告 川崎市政

行政が国民主権を侵害する国2017/08/08    

政府内には、審議会、懇談会、諮問会議などと呼ばれている、いかにも胡散臭い政策会議が多数あります。

その一つが規制改革推進会議。

かの有名な大田弘子先生(政策研究大学院大学教授)を議長に据え、ほか13名のいわゆる「有識者!?」委員から成る会議です。

規制改革推進会議は、国民生活に密接に関わる安全保障を破壊するような政策提言を「規制改革」の名のもとに平然と行っています。

農協改革、医療改革、雇用規制改革、出資法の廃止、旅館業法の改正などなど、並べ挙げればキリがありません。

例えば、2014年に当該会議が医療改革の一環として提案した「選択療養」は、いわゆる「混合診療の解禁」です。

現在、病院の診療は「保険診療」と「自由診療」に分けられ、この二つを併用(混合)して利用することはできません。

それを併用(混合)して利用できるようにしろ、というのが「混合診療の解禁」です。

保険診療とは、健康保険が適用になる通常の治療のことです。

ご承知のとおり、通常、自己負担は3割です。

とはいえ、一定の上限を超えた場合には、弱者保護の観点から高額療養費制度によって一定金額の払い戻しが受けられるようになっています。

一方、自由診療とは、健康保険が適用されず、全額自己負担になる治療のことです。

自由診療を選択した場合には、たとえ健康保険が適用される治療が含まれていても全額自己負担となります。

ポイントは、自由診療でかかる医療費は病院側が自由に決められることです。

そこで、保険診療と自由診療を併用して使えないことは非効率だ、という意見があるわけです。

しかし、むしろ併用できないことによって、我が国では安くて質の高い国民医療が成立しています。

また、併用できないことをもって医療財政の悪化を懸念する人もおられますが、それは明らかな間違いです。

もしも併用できるなら、高額な診療とともに保険診療を利用する患者さんが確実に増えますので、当然のことながら保険料の支払い額も増えていきます。

しかも混合診療が解禁されることの最大の問題は、病院側が高額な診療を受診する患者さんの方を求めるようになり、保険診療だけを利用する低額診療患者を避けるようになる可能性があることです。

おカネ持ちの患者さんほど、混合診療を最大限に活用することでしょう。

病院側としては「混合診療」大歓迎です。

何といっても、自由診療でかかる医療費は病院側が自由に決められるわけですから、その病院が売上至上主義病院であった場合、これほどに有り難い患者さんはいません。

病院に行ったら「保険診療だけの患者さんは、他の医療機関をご利用ください」なんてことになりかねません。

下のグラフをご覧ください。

グラフは入院患者数と平均在院日数の推移ですが、入院患者数は明らかに増え続けている一方で、平均在院日数は入院患者数と反比例して減り続けています。

その最大の理由は、医療技術の進歩によって患者さんが退院するまでの期間が短縮されてきたことです。

むろん、医療技術の進歩とともに医療費も拡大してきました。

因みに、下のグラフは患者数の推移です。

ご承知のとおり、高齢化だけが医療費増大の理由ではありません。

医療費増大の背景には医療技術の進歩もあるわけですが、むろん医療技術の進歩は日進月歩です。

それに伴って、今後とも更なる医療費の増大が見込まれるわけです。

規制改革推進会議のようなネオリベ(新自由主義)会議が「混合診療の解禁」を主張する目的が、外資を含めた民間保険会社のビジネスチャンスの拡大にあることは想像に難くありません。

皆さまはどのようにお考えでしょうか?

規制改革推進会議の提言どおり、混合診療を解禁し、国民皆保険制度を喪失してまで外資を含めた民間保険会社のビジネスチャンスを拡大するべきとお考えでしょうか。

私は、混合診療を解禁することなく、保険診療の対象となる診療項目を拡大していくことで国民皆保険制度を守りつつ、国民医療を更に充実させていくべきであると考えます。

民間の保険ビジネスは、むしろ外資規制を強化することで国内の保険会社のビジネスモデルを拡大していくべきではないでしょうか。

「そうは言っても、増大する医療費の財源はどうするの?」と思われるかもしれません。

…ご心配なく。

根本的には我が国に深刻な財政問題などなく、ただデフレ経済を脱却して名目で3%程度の経済成長率を維持するだけで、毎年増え続ける社会保障費以上の税収増を確保することが可能です。

それにしても、選挙で選ばれたわけでもない規制改革推進会議のメンバーらが、選挙で選ばれた国会議員以上の発言権をもって国民の生活安全保障を破壊する政策を提言し続け、その一部は既に具現化されています。

これって明らかな民主主義の否定ではありませんか。

あるいは国民主権の侵害ではありませんか。

実は川崎市にも似たような制度があります。

川崎市内には7つの区がありますが、それぞれの区に「区民会議」なる市長の諮問機関があって、選挙で選ばれたわけでもない特定の市民が委員になり、市政に物申しています。

あるいは川崎市議会には「外国人市民代表者会議」なる会議があり、日本国籍を有しない外国人市民が議会で発言しています。

これは日本国民たる川崎市民にとって、まさに参政権の侵害です。

このように我が国では、行政による民主主義と国民主権の侵害が常態化しています。