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議会報告 政治・経済

デフレ産業が欲する低賃金奴隷2017/08/06    

去る8月4日に厚生労働省から発表された6月の実質賃金は、
現金給与総額(ボーナス等を含む) -0.8%
きまって支給する給与(基本給) -0.1%
…とのことです。

現金給与総額の落ち込みも酷いものですが、きまって支給する給与のほうは今年に入って6カ月連続のマイナスになってしまいました。

上のグラフをみますと2016年の9月まで実質賃金が上昇しているようにみえますが、これは物価が下落した結果です。

実質賃金は物価の上昇率を控除して算出しますので、物価が下がると実質賃金がプラス化してしまうという統計の弱点があるわけです。

ところが一転して今年に入ってからは、今度は物価の上昇に名目賃金の伸びが追いつかずに実質賃金が低下しています。

物価の上昇といっても、実質賃金を算出する際に使用する「持ち家の帰属家賃を除く総合」であれ、日銀が指標としている「コアCPI」であれ、その上昇率は僅かです。

「持家の帰属家賃を除く総合」で+0.5%、「コアCPI」で+0.4%という低い伸びです。

その僅かな物価上昇率にさえ、名目賃金の伸びが追いついていないのです。

6カ月連続の実質賃金の低下はそれを物語っています。

要するにデフレの深刻化です。

そんなデフレの直中に意外と儲けている企業があります。

例えば、派遣会社、全国チェーンのコンビニや居酒屋、ヤフーやアマゾンなどのWebサービス会社などなど、とにかく安い人件費と資本力で全国展開する企業群です。

あるいは政府に規制を緩和させ、需要の増えていない分野に強引に参入し、低価格競争を仕掛けては荒稼ぎしている外資の保険会社もそうです。

因みに、日本の生命保険市場の外資系シェアは下のグラフのとおりです。

一方、民間議員と称して政府の審議会等にもぐり込み、規制緩和や民営化や自由化を進め、公的施設を安く買収して露骨に儲ける無頼漢もいる始末です。

彼らにとって、デフレは居心地のいい経済状態なのです。

デフレ → 低価格競争 → 名目GDPの縮小 → 税収減 → 財政悪化 → 小さな政府の要請 → 自由化・民営化・規制緩和 → デフレ産業のビジネスチャンス

彼らの強みは何と言っても、安い労働力です。

デフレが解消されると賃金が上昇してしまうので、彼らは常に緊縮財政と雇用規制の緩和と外国人労働者の受け入れ拡大を主張しています。

その要請に力強く応えてきたのが安倍政権です。

下のグラフのとおり、第二次安倍内閣が発足して以降、急激にプライマリー・バランスの赤字が縮小されました。

更に下のグラフのとおり、我が国の外国人労働者数は昨年末時点で既に108万人を超えています。

昨年(2016年)だけでも、前年比20%の増です。

なお、兵庫県養父市の農業特区では、パソナグループ会長の竹中平蔵氏の肝いりで、農業分野にも外国人労働者を雇えるようになりました。

しかも派遣社員で。

世界銀行が興味深い統計を発表しています。

その統計とは、世界の移民人口比率(国別比較統計)です。

移民人口比率とは、各国の総人口に対する移民人口比率を指します。

即ち、当該国の総人口に対する移民人口の割合のことで、当該国に住む外国生まれの居住者あるいは外国籍の居住者を移民人口としています。(亡命者・難民を含む)

国連は、「移民」を「出生あるいは市民権のある国の外に12カ月以上いる人」と定義しています。

グラフをみますと、我が国の移民人口比率はそれでも未だ1.6%です。

であるがゆえに、多くの日本国民が外国人労働者の受け入れ拡大の弊害を実感していないのではないでしょうか。

これが5%、10%になっていったとき、我が国の景色はガラリとかわり、犯罪率は悪化し、日本人労働者の実質賃金は永遠に上がらず、ますますグローバルデフレ企業の低賃金労働奴隷と化していくことになるのでしょう。