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議会報告 政治・経済

緊縮財政内閣にNo!2017/08/03    

このブログで度々取り上げているマネタリーベースですが、昨日(8月2日)の日銀の発表によれば、7月末のマネタリーベースは468.3兆円とのことです。

『7月末マネタリーベースは468.3兆円、過去最高を更新=日銀
http://jp.reuters.com/article/monetary-base-idJPKBN1AI00I

日銀が2日発表した市中の現金と金融機関の手元資金を示す日銀当座預金残高の合計であるマネタリーベース(資金供給量)の7月末の残高は468兆3444億円となり、過去最高を更新した。(後略)』

マネタリーベースとは、世の中に出回っている現金紙幣と硬貨、それに日銀当座預金(民間の金融機関が日銀に設けている当座預金)を足したものです。

7月末現在、世の中に出回っている現金紙幣は100.7兆円で、100円玉や500円玉などの硬貨は4.7兆円です。

なのでマネタリーベースの大部分は日銀当座預金(362.9兆円)です。

世の中に出回っている現金紙幣や硬貨の量はほとんど変わっていませんので、マネタリーベースの拡大は主として日銀当座預金の拡大です。

日銀は、民間の金融機関が保有している国債を年間80兆円のペースで買い取って、その対価を日銀当座預金に積み上げているわけです。

いわゆる、量的緩和政策です。

何のために?

むろん日銀当座預金残高を増やすことで民間金融機関の貸出しを増やして景気を刺激するためです。

ところが民間金融機関の貸出しは、日銀の目論見どおりには増えていません。

さて、どうしてでしょうか?

答えは簡単で、借り手がいないからです。(むろん、マクロ的に)

どんなに日銀当座預金残高を拡大したところで、借り手がいないのではどうしようもありません。

どうして借り手がいないのか?

デフレ(需要不足・供給過多)だからです。

企業が銀行からおカネを借りる時ってどんな時でしょうか。

当然のことながら、着実に仕事(需要)が増えていく時です。

なのでデフレを脱却しないかぎり貸出しは増えないわけです。

ところが我が国の金融財政当局は見通しを誤っており、貸出しを増やせばデフレを脱却できると思い込んでいます。

更には、日銀当座預金残高さえ増やせば、デフレを脱却できると勘違いしているところが致命的です。

日銀当座預金という民間金融機関の預金を増やしたところで、民間金融機関の貸出しが必ずしも増えるわけではありません。

なぜなら銀行貸出しは、貸し手である銀行の預金量(資金量)に制約されないからです。

意外と知られていない事実ですが、銀行貸出しの制約は借り手の返済能力です。

銀行側が「借り手に返済能力あり」とさえ判断すれば、無限に貸出すことが可能です。(むろん、自己資本比率規制など銀行としての総量規制はあります)

即ち、デフレ下では、銀行が「借り手に返済能力あり」と判断できる借り手が少ないということです。

なので、デフレ期における日銀当座預金残高の拡大は、銀行の貸出しには何ら影響しないのです。

であるからこそ、マネタリーベースの拡大とは裏腹に民間金融機関の預貸比率が増えないわけです。

そもそも企業や国民は日銀に当座預金をもっていないので、日銀当座預金を借りることもできません。

ところがこの世に唯一、日銀当座預金を借りることのできる経済主体があります。

そうです、政府です。

日銀に当座預金をもつ政府が国債を発行するとき、実はこの民間金融機関が日銀に持っている日銀当座預金からおカネを借りているのです。

国民や企業の預貯金から借りているのではありません。

そこで、政府が国債を発行し、財政を出動させ需要不足を埋める。

需要不足が埋まる、即ちデフレギャップが埋まると、民間部門に仕事(需要)が創出されます。(現在、我が国のデフレギャップは概ね16兆円と言われています)

そのときはじめて銀行の貸出しが増えることになります。

デフレを脱却すると名目GDPが拡大していきますので、自然に税収が増えていくことになり財政健全化も進みます。

借金をする経済主体が政府から民間部門に移ることができたなら完全なるデフレ脱却です。

ところが、安倍政権は量的緩和によって日銀当座預金残高を拡大するばかりで、一貫して緊縮財政を続けています。

本日(8月3日)、内閣が改造されるようですが、いずれにしても緊縮財政内閣であることに変わりはないでしょう。