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議会報告 川崎市政

保育士不足25%、受け入れ制限18.3%2017/08/02    

全国の保育所と認定こども園を対象に、独立行政法人福祉医療機構が実施した調査によれば、保育士らの職員が不足していると回答した施設が25.0%に及んでいるとのことです。

『「保育士不足」25% 入所受け入れ制限も
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG31H8H_R30C17A7000000/

独立行政法人福祉医療機構が全国の保育所と認定こども園を対象に実施したアンケートで、保育士ら職員が不足していると回答した施設が25.0%に上ることが31日、分かった。不足と回答した施設の18.3%が利用者の入所を制限していた。(後略)』

記事のとおり、不足と回答した施設の18.3%が利用者の入所を制限しているようです。

よく言われているように、保育士不足の主たる要因は何と言っても給与水準等の待遇面にあります。

待機児童問題が保育行政の最大課題であるかのようにマスコミ的にも殊更にクローズアップされていますが、本来は保育士の待遇改善こそが最も優先されるべき課題であり、またそのことが結果として待機児童の解消策に繋がるものと考えます。

ところが、そこで必ずネックになるのが財源問題(プライマリー・バランス)です。

「そんなこと言ったって、財源がぁ~」というお決まりのテンプレート・フレーズです。

プライマリー・バランス(基礎的財政収支)とは、借金(元利金)の返済分を差し引いた歳出と税収とのバランスを指します。

これをバランスどころか黒字化させよう、というのが政府が掲げている「プライマリー・バランス黒字化目標」です。

この愚劣なる目標があるかぎり、行政に新たな支出が発生した場合、必ず何か他の支出を削減するか、もしくは新たな支出分の増税をするしかなくなります。

むろん、更なる借金などはもってのほか、なのです。

要するにプライマリー・バランス黒字化は、経済力の意味を理解していない人たちの発想であり思想です。

国家にとっての経済力とは、モノやサービスを生み出す力のことです。

難しい言い方をすると「供給能力」のことです。

勘違いされている方が多いのですが、経済力とはおカネの量を意味していません。

もっと言えば、自国の人材と技術と生産資産によってモノやサービスをつくる力こそが経済力です。

例えば、保育サービスを自国の人材と技術と生産資産というリソースで国民に供給できない国は、残念ながら経済力の劣る国ということです。

おそらく今後は、保育士が足りないなら「外国人保育士を受け入れればいい」と言うお〇〇さんが必ずでてくるでしょう。

そうなれば間違いなく日本人保育士の給与は一向に上がらず、「保育士は外国人がやるもの」という社会通念が定着し、我が国は自国のリソースで国民の保育ニーズを充たすことのできない発展途上国に成り下がります。

愚かなるプライマリー・バランス目標に固執して、保育サービスの供給能力のみならず様々な供給能力を毀損し続けているのが我が国の現状です。

自前の供給能力さえ維持できれば、どんなに借金を拡大させてもインフレ率は抑制され、日本政府が財政破綻(デフォルト)することなどありえないのです。

保育サービスもしかりで、保育士の待遇改善こそが供給能力の維持のために必要であり、そのための政府支出が今まさに求められています。

残念ながら、それを妨げているのがいわゆる「プライマリー・バランス思想」なのです。

因みに、既に日本が福祉過剰のごとき発言をされる人たちもおられますが、下のグラフのとおり、いわゆる先進国と言われている国々と比較しても、日本だけが福祉に過剰な費用を費やしているわけではありません。