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議会報告 川崎市政

市税収入増加の要因を冷静にみよう!2017/07/31    

川崎市が発表した昨年度(2016年度)の決算見込みによりますと、市税収入が3年連続で増加したとのことです。

しかしながら、市税収入が増えたことをもって「景気はそこそこ良い、だから財政運営はこれまでどおり」みたいな愚論が庁内及び市内世論にまかり通ることのないよう、遠慮なく水を差します。

『川崎市の16年度税収、3年連続で過去最高
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB27H9N_X20C17A7L82000/

川崎市が27日発表した2016年度の一般会計決算見込みによると、市税収入は前の年度比1.5%増の3054億円となり、3年連続で過去最高を更新した。人口増加を背景に個人市民税などの税収が伸びた。課税予定額のうち実際に徴収できた割合を示す収入率は98.6%で37年ぶりに過去最高を更新した。(後略)』

記事にもあるように、市税収入増加の主たる要因は「人口増加」です。

ご承知のとおり、川崎駅西口や武蔵小杉などの開発効果によって、本市の人口は増え続けています。

去る5月には、本市人口はついに150万人を突破しました。

デフレが脱却され、市民一人当たりの市内総需要(GDP)が増えた結果として、税収が増えているのなら申し分ないのですが、現実は異なり、たんなる人口増による税収増なのです。

社員数の増加によって会社の利益が上がったところで、結果として一人当たりの給与が増えなければ意味がないのと同様です。

下のグラフのとおり、川崎市民一人当たりの市内GDPは人口増加の恩恵をまったく受けていません。

上のグラフをご覧のとおり、川崎市民は明らかにリーマン・ショック前よりも貧乏になっています。

2012年から2014にかけて、市民一人当たりの市内GDPが若干ながら増えているのはアベノミクスによる円安政策で輸出額が伸びた結果です。

意外としられていない事実ですが、本市の市内GDPは輸出額に相関しています。

輸出量が増えなくても為替レートが円安になるだけで、額面上の輸出が増えたことになりますので、その分、市内GDPが上昇しているだけです。

一方、下のグラフのとおり、市内の消費は惨憺たる冷え込み具合です。

モノやサービスの売れ行き具合を示すインフレ率をみても、今年の3月には、いよいよマイナスにまで落ち込んでしまいました。

要するに、新たに川崎に転入された方々の個人市民税と固定資産税が増えたことで市税収入が増えているだけです。

むろん、そのことが悪いと言っているのではなく、私は現実の市内経済を冷静に見ることの必要性を説いております。

懸念されるのは、冒頭に申し上げましたとおり、「税収が伸びているんだから景気は良い、だから財政政策はこれまでどおり緊縮路線で良いではないか」という行政判断が支配的になってしまうことです。

くどいようですが、「景気が良い」の正しい定義は、「市民一人当たりの名目GDP(所得)が増えていくこと」です。

どんなに川崎市の税収が増えたとしても、それが市による支出(需要創造)に回らず貯蓄に回ってしまうと、市内経済に更なるデフレ化(市民の貧困化)をもたらすだけです。

国民経済では、絶対に逃れることのできない原則があります。

それは「行政が黒字(貯蓄)を増やすと、市民(民間部門)は赤字を強いられる」という原則です。

川崎市の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の推移をみますと下のグラフのとおりで、これまで散々に市民(市内民間部門)に赤字を強い続けてきました。

今年度の予算ベースでも156億円の黒字を計上しようとしています。

これを私たち川崎市民は156億円の資金が行政によって吸い取られてしまった、と思うべきです。

もう一度言います。

インフレ率が上昇し、市民一人当たりの市内GDPが増えた上での税収増こそが、正しい税収増です。

夜な夜な通帳の黒字をみて喜んでいるような、そんな市政にはNo!…です。