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議会報告 政治・経済

明治天皇宝算61歳崩御の日に思う「憲法問題」2017/07/30    

去る5月3日の「占領憲法記念日」に、安倍自民党総裁が「憲法9条の1項、2項は変更せず、3項に自衛隊を明記して、2020年を新憲法施行の年にしたい」と明言しました。

いわば、公明党さんの大好きな「加憲論」のご披露です。

いかにも、「反日護憲派の皆さ~ん、憲法改正ではなく加憲ですよぅ~」とでも言いたげです。

総理の発言の背景には、オリンピックに合わせて自分の手で憲法改正を断行することで祖父(岸信介元総理)からの夢を果たしたい、という願望があったのではないかとも言われています。

さて、斯く言う私は、いわゆる護憲論者でもなく、加憲論者でもなく、改憲論者でもありません。

占領憲法無効論者です。

現行憲法(占領憲法=マッカーサー憲法)は、我が国に国家としての主権が存在しなかった時代(被占領時代)に制定された憲法です。

憲法とは主権の発動です。

主権を有していなかった国家が、主権の発動たる憲法を制定できるはずがありません。

例えば、現行憲法が制定されていた昭和23(1948)年12月23日(今上陛下の誕生日)に、いわゆるA級戦犯とされた7名の軍人を含む日本政府要人が絞首刑に処されました。

彼らは現行憲法(日本国憲法)に拠らず、マッカーサー元帥の私法に拠って裁かれ死刑に処されたのです。

つまり、現行憲法(日本国憲法)の上位法としてマッカーサー元帥の私法が歴然と君臨していたのであり、この一点で、現行憲法(日本国憲法)が依然として主権の発動でないことの証左です。

よって、現行憲法を一旦は無効とし、主権の発動のもと新たな憲法を制定すべきです。

これが占領憲法無効論です。

具体的には、国会にて現行憲法の無効を宣言した上で、予め創案しておいた新憲法を明治憲法改正手続きに基づいて制定する。

占領憲法が廃され新たな憲法が施行されるまでの間、刑法や民法などの法律は現行法が効力を有する旨を予め決めておけばいい。(憲法空白期間の無法状態を防ぐため)

なぜ、こうした手続きが必要なのかというと、もしも現行憲法の手続きに基づいて憲法改正がなされてしまうと、占領憲法=マッカーサー憲法に正統性(レジティマシー)を与えてしまうことになるからです。

そうなると、我が国は永遠に被占領国(敗戦国)です。

とはいえ、現今の日本の政治状況及び国民世論から考えますと、占領憲法無効論を政治路線に乗せることは現実的には極めて困難です。

といって、占領憲法が正統化されるような憲法改正がなされるのも困りますし、占領憲法よりももっとダメな憲法に改正されてしまう可能性だってあります。

なので私としては、現時点において憲法問題は先送りすべきと考えます。

やがて来るであろう、占領政策の洗脳がほどよく溶けはじめた次代にやればいいのではないでしょうか。…冷静沈着な議論を経て…

このように言うと「そんなことを言って、今まさに直面している国防や安全保障などの現実的な危機に現行憲法なんかで対応できるのか?」と言われそうです。

結論から言うと、可能です。

現行憲法(占領憲法)が我が国の安全保障面においてボトルネックとなっているのは概ね次の2点です。
(1)集団安全保障における武力行使の問題
(2)交戦権(交戦資格)の問題

これらについては、現行憲法(占領憲法)の第98条の2に基づく国際法・条約等の現実を国民によく説明した上で、英米法的な解釈変更で対応可能。

そもそも現行憲法(占領憲法)は大陸法ではなく英米法でできているのですから、大陸法的にではなく、英米法的に取り扱うべきです。

総理は「自衛隊」を憲法に明記としていますが、本当に「自衛隊」という名称でいいと思っているのでしょうか。

国際的には、「自衛隊」(セルフ・ディフェンス・フォース)とは「自警団」と同義です。

自警団とはあくまでも自己組織を守る組織であって、国民を守ったり、国際貢献を行うための軍隊組織ではありません。

やはり正式名称は、「国軍」もしくは「日本軍」にすべきです。

米国の軍隊のことだって「米軍」と呼称しているのですから。

だからといって、それを憲法に明記する必要はありません。

防衛省設置法、及び自衛隊法の防衛2法を改正すれば済む話しです。

そもそも、交戦権や集団安保における武力行使の問題を放置したまま「自衛隊を憲法に明記しよう」なんて、保守を自称する人が言うことではありません。

ましてや、そんなことで「祖父の夢を果たした」などと満足されては、むしろ自衛隊の実態は現状に固定され一歩の前進も期待できなくなってしまいます。

7月30日、明治天皇宝算61歳崩御の日に思う。