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議会報告 政治・経済

労働分配率と単位労働コスト2017/07/28    

China経済は既にピークを越え、成長率の鈍化から消費需要は低迷したものの、その落ち込みを投資需要で埋め続けてきた結果、今は過剰供給状態になっています。

その過剰供給能力を解消するべく、今度は一帯一路やらAIIB(アジアインフラ投資銀行)やらと新たな戦略を構築し取組みを進めています。

敵ながらあっぱれで、日本も見習うべきです。

さて、China経済はこれまで、その人件費(労働コスト)の安さを活かして外国資本を呼び込み続けてきましたが、単位労働コストは既に日本よりも高くなっていると言われています。

単位労働コスト…

例えば、一カ月の給料が5万円のChina人が手作業で100枚のシャツを生産したとします。

この場合、単位労働コストは@500円になります。

一方、一カ月の給料が20万円の日本人が設備投資された工場で1000枚のシャツを生産したとします。

この場合、単位労働コストは@200円です。

日本(@200円) vs China(@500円)

…となって、単位労働コストは日本のほうが安くなるわけです。

問題は、日本の単位労働コストが、公共投資、設備投資、技術開発投資、人材投資などの各種の投資によって一人当たりの生産性の向上が図られる形で低下しているのか、それとも、たんにデフレとグローバリズム(株主資本主義)が進展し低下しているのかどうかです。

むろん前者であれば善、後者であれば悪です。

失われた20年などとも言われていますが、日本はこれまで、デフレとグローバリズムによって、いわゆる「構造改革」が進められてきたことで、例えば株主への配当は増え続けてきたのですが、それとは反対に労働分配率は低下し続けてきました。

また、ここ数年の我が国の労働分配率と単位労働コストの推移をみてみますと、下のグラフのとおりで、労働分配率とともに単位労働コストが低下しています。

更に、技術上の進歩を表した数値である全要素生産性(TFP)の推移をみますと、我が国の推移は下のグラフのとおりです。

繰り返しますが、全要素生産性(TFP)は、技術進歩率を示しています。

因みに、京都大学特任教授の青木泰樹先生によれば、GDP600兆円を達成するためには、TFPの上昇率を「2.2%」にすることが必要なのだそうです。

残念ながら、我が国の単位労働コストが低下し続けているのは、技術革新などによる一人当たりの生産性向上の結果ではなく、たんに労働分配率の引き下げの結果であったことがよく解ります。

残念ながら下のグラフのとおり、我が国はこの数年間、技術革新に不可欠な科学技術関係予算をまったく増やしていません。

この結果、下のグラフのとおり空恐ろしい結果になっています。

新国立競技場の地盤改良工事で施工管理をされていた23歳の新入社員の男性が今年3月に過労自殺していたことをニュースで知りました。

会社は把握していなかったようですが、男性が自殺する直前1カ月の時間外労働はなんと200時間を超えていたといいます。

デフレ期における強引なプライマリー・バランスの黒字化や緊縮財政が、更にデフレを深刻化させ、労働分配率を引き下げ国民を貧しくしています。

働けど働けど…楽にならない(所得が増えない)!

それがデフレとグローバリズムとプライマリー・バランス黒字化の恐ろしさです。