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議会報告 政治・経済

有事に買われる「円」2017/07/25    

昨日(7月24日)、外国為替市場では1ドル110円台後半まで円高が進行しました。

報道によれば、日米の政治リスクの高まりで「有事の円買い」が進んだとのことです。

本当に日米ともに政治リスクが高まっているのかどうかは別として、少なくとも外国為替市場の市場参加者たちはそのように判断して取引した、ということです。

円高を受け、 日経平均株価は続落しました。

昔、テレビのニュース番組でアナウンサーが「株高に引っ張られ円相場も上昇しました」とコメントしていたのを子供ながらによく覚えています。

むろん当時は、その言葉の意味などちゃんと理解していませんでしたが、「株高に引っ張られ…」というアナウンサーのテンプレフレーズの音だけをなんとなく覚えてしまったものです。

要するに当時は、日本株の価値が上がれば、通貨(円)の価値も上がるという自然な姿だったわけです。

今になって思えば、そのころは未だグローバリズム(国境の否定)が進んでいなかったので、グローバルマネーが世界中を飛び回って市場を食い散らかすようなことはなかったのがよくわかります。

そして1990年代になると、我が国はグローバリズムに組み込まれることになりました。

理由は、「冷戦構造の終焉」という地政学的要因です。

ソ連の崩壊によって東側陣営の脅威に備える必要性が無くなった米国にとって、日本を経済的に甘やかす理由も無くなったのです。

つまり米国の脅威が、ソ連の軍事力ではなく、今度は日本の経済力に変わったわけです。

そのグローバリズムの進展によって、現在では日本株の約3割を海外投資家が保有し、その約3割の海外投資家が市場の約7割を動かすようにまでなりました。

上のグラフのとおり、青い部分が外国法人等の日本株保有比率で、1990年以降のグローバル化で急激に増えたのがよくわかります。

一方、海外投資家の取引比率は下のグラフのとおりです。

海外投資家たちにしてみると、円安になると日本株は割安になります。

なので、買い。

逆に円高になると日本株は割高になります。

なので、売り。

その海外投資家が取引の約7割を占めていますので、結果、日本の株式市場では海外投資家が相場をつくることになりました。

このような背景があって、私の子供のころとは異なり、日本の株式市場は「円高なら株安」「円安なら株高」ということになったわけです。

さて前述のとおり、昨日の外国為替市場での円高は、日米の政治リスクの高まりで「有事の円買い」が進んだ結果であるとのことでした。

あれっ?

昨日の私のブログで紹介した日本総研調査部上席研究員の河村先生によれば、「何かが起こると必ず円安が進み、やがて日銀が債務超過に陥ってインフレが止まらなくなって日本は事実上の財政破綻をする」んじゃなかったでしたっけ?

まるで話しが違うじゃないか。

よく「有事の金(ゴールド)買い」と言われるように、有事に買われる「資産(=ゴールド)」というのは、国際的にみて最も安全な資産ってことではないのか。

その点、利回りで比較したら、今や「金(ゴールド)」よりも「日本国債」のほうが価値が高い状況です。

即ち、何かが起こると円安になるのではなく、それとは真逆に何かが起こると円高になっているではありませんか。

では海外投資家らは、その買った円を何で運用しているのでしょうか。

むろん日本国債です。(国債が買われると金利は下がります)

それもそのはずで、日本国債は100%自国通貨建てで発行されているために、日本政府がデフォルト(債務不履行)する可能性がゼロ%だからです。

ここに市場参加者の「本音」と「建前」が透けて見えます。

リスク回避で日本の国債が買われているのは「日本は破綻するぅ~」は建前で、「日本国債は安全」が本音である証左なのです。

現在の我が国が抱えている最大の政治課題は、河村先生が仰るようなインチキ破綻論ではなく、デフレという需要不足状態です。

その解決策こそが、政府によるプライマリー・バランスの破棄と財政出動です。(デフレが解消されると税収増になって財政も健全化される)

それを、河村先生らの言われる『何かが起こったら円安になって破綻する論』が阻んでいます。

その「何か」がいったい何なのか、彼女彼らは絶対に明言してくれません。

とことん卑怯な人たちだ。