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議会報告 政治・経済

生産年齢人口比率の低下はピンチじゃない、チャンスだ!2017/07/23    

人口の減少をもって日本の国力の衰退を主張する無責任な人たちがおられます。

どうして無責任なのかというと、たいていの場合この種の人たちは「国力」とは何か、あるいは「衰退」とは何かを具体的に定義しないままアバウトに発言するからです。

それに、「国力」を「経済成長率」、「衰退」を「経済成長率の低下」と仮に定義するならば、人口減少が国力を衰退させる、という考えは非科学的です。

その根拠を示します。

IMFのデータによれば、地球上には人口が減少している国家が日本以外に21カ国あります。

上のグラフのとおり、日本よりも人口減少率の高い国は20カ国です。

この20カ国の中で、日本よりも経済成長率が低い国はミクロネシアのみです。

例えば、リトアニアやジョージアなど人口減少率のトップ2と日本の経済成長率を比較してみますと、下のグラフのとおりになります。

リーマン・ショックとその後のデフレ化という共通項を含めてみても、リトアニア、ジョージアは、日本以上の経済成長率を維持しています。

こうして上の二つのグラフを見ただけでも、「人口減少による経済衰退論」がいかに非科学的な理論かが解ります。

しかも2000年から2015年までの我が国の総人口減少率をみると、上のグラフのとおり0.3%ですが、近年の総人口減少率はわずか0.1%程度に留まっています。

これらの事実を無視して、総人口の減少をもって平然と日本経済衰退論を主張するのですから凄い。

我が国が真剣に考えなければならないのは、たった毎年0.1%程度の総人口の減少ではなく、着実に毎年1%のペースで減少していく生産年齢人口(15~64歳人口)の減少です。

2016年時点において、OECD加盟国35カ国の中で最も生産年齢人口比率が低い国は日本です。

上のグラフは2016年時点の数値ですが、7月20日に発表された『人口推計』によれば、7月1日の時点の生産年齢人口比率はついに「60.0%」になりました。

60%の大台を切るのも、もはや時間の問題です。

「だから日本は衰退するんじゃないか」と思われる方もおられるでしょうが、話はまったく逆です。

総人口の減少ペースを上回るスピードで生産年齢人口比率が下がっていくからこそ、我が国は再び経済成長のビッグチャンスを迎えています。

65歳以上人口の比率が高まり、15~64歳人口の比率が下がる。

即ち、65歳以上人口比率の増加によって医療費や介護費などの福祉需要が拡大していく一方で、生産年齢人口という供給人口が減っていくわけです。

医療や介護などの福祉部門のみならず、社会全般として「需要>供給」というインフレギャップ状態に移行していきます。

現に、医療や介護分野は既にインフレギャップ状態です。

このギャップを「生産性向上」によって埋めることを経済成長といいます。

絶対にやってはならないのは、このギャップを外国人労働者で埋めようとすることです。

なぜなら、それでは日本国民一人当たりの所得が向上していきませんので。

それに、もしそれをやったら我が国は発展途上国化します。

国民の求める需要を、自国のリソース(人材、技術、資本)によって充たせる国を先進国といいます。(※割合の問題)

なので外国人労働者の受け入れによって需給ギャップを埋めていくと、自国のリソースが脆弱化していくので間違いなく発展途上国化します。

なので、生産年齢人口比率の減少に対する正しいソリューション(解決策)は、外国人労働者の受け入れによる供給能力の向上ではなく、自国のリソースに対する弛まざる投資です。

それなのに、安倍政権は歴代政権でもっとも外国人労働者を受け入れています。

ここにきて安倍内閣が急速に支持率を失っている背景の一つには、こうした安倍内閣による亡国的政策が徐々に露呈してきたこともあるのではないでしょうか。

断っておきますが、私は外国人を排斥しろと言っているのではありません。

外国人労働者の受け入れによる需給ギャップの穴埋めを、経済政策論として否定しているだけです。