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議会報告 政治・経済

経済同友会に提言する!2017/07/17    

つくづく「経済」と「経営」とは、まったく異なる概念であることを痛感します。

経済同友会が性懲りもなく、安倍政権に消費税率の引き上げを求めています。

しかも「支持率の低下を恐れるな!」とまで付け加えて。

『「支持率恐れず消費増税実施を」 同友会、政権に求める
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H2I_U7A710C1EA4000/

経済同友会は14日、長野県軽井沢町で開いた夏季セミナーで、日本経済の持続的成長に向けた提言をまとめた。財政再建について「持続可能性のための最重要課題の一つだ」と指摘し、「短期的な支持率の変動を恐れずに2019年10月の消費税率10%への引き上げを求める」と強調し、計画通りの増税実施を安倍政権に求めた。(後略)』

経済同友会は、経団連や日本商工会議と並ぶ経済団体の一つとされています。

しかし、彼らが「経営」のプロであることは認めますが、必ずしも「経済」のプロであるとは思えません。

彼らが望むとおり、2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられました。

その結果、どうなったのか?

消費税増税(5%→8%)が国内消費に与えた影響は計り知れず、内需を停滞させ、デフレを深刻化させたことは明らかです。

このような状態で、さらに消費税率(8%→10%)を引き上げられた日には日本経済は完全に死にますよ。

彼らにしてみれば、日本経済が死んだところで、自分たちの会社さえ儲けることができればそれで良い、ということなのでしょうが…

現に、派遣会社を筆頭に、いわゆるデフレ型産業はデフレが深刻化すればするほどに儲けています。

しかし利益を上げているのはあくまでも会社や経営者や株主であって、そこで働く従業員たちはその利を享受していません。

デフレ経済が続く限り、従業員の実質賃金は下がり続けるのです。

消費税増税は「3年殺し」とも言われていて、増税してから概ね3年目頃からそのネガティブ・インパクトが本格的に露呈します。

例えば、デフレによって低迷してきた実質賃金は、昨年10月から更に悲惨な状態に陥っています。

グローバリズム(政府の存在を否定する株主資本主義)を求めるネオリベ経営者たちが、何としてでも消費税率を引き上げたい理由は簡単です。

株主利益を薄くしている法人税の税率を、もっともっと引き下げたいからです。

法人税率が引き下げられると、企業の税引き後利益は増えます。

経営者は、その増えた分の利益を株主配当や自社株買い(これも株主利益)に回すことが可能です。

法人税の税率を下げれば、当然のことながら政府の法人税収入は減ります。

よって、減った法人税収入の穴埋め財源として、消費税率の引き上げがあるのです。(下のグラフのとおりです)

消費税には税制上の様々な欠点があります。

例えば消費税には、景気後退期には税負担を軽減し、景気の過熱期には税負担を重くすることでインフレ率を調整する、いわゆる「ビルトインスタビライザー」という機能がありません。

なぜなら、消費税は企業の粗利益に課税するという、いわば外形標準課税なので、赤字続きで苦しんでいる中小零細企業にも平然と課税することになります。

一方、個人レベルでみても、一般的な傾向として低額所得者は消費性向が高く、高額所得者ほど消費性向は低くなります。

そりゃそうですよね、お金持であろうが、そうでなかろうが、一日で食すことのできる量にさほど差はないのですから。

ところが消費税は、低額所得者であろうが、高額所得者であろうが、一律に同率の税が課せられます。

いわゆる逆累進性です。

例えば、年収300万円に10%の消費税が課された場合と、年収3億円に10%の消費税が課された場合を比べてみてください。

年収3億円の高額所得者が消費税率10%を負担したところで手元に2億7,000万円が残りますが、年収300万円の低額所得者の場合は手元に270万しか残らない。

2億7,000万円の生活者が食べる量も、270万円の生活者が食べる量も、あるいは洗濯する量だって同じ人間なのですからそんなには変わらないはずです。

デフレで実質賃金が上がらない中であるにもかかわらず、消費税率が引き上げられてしまうと、結果として中間所得層を破壊することになります。

中間所得層が破壊されると、貧富の差が拡大するのみならず、治安が悪化し、やがては国家として発展途上国化します。

グローバル企業やグローバル投資家は、仮に国家が無くなっても儲け続けることができますが、多くの日本国民は日本という国家の存在があってはじめて生活が成り立っています。

即ち、利益の最大化を目的とする「経営」は国家を必要としなくても、防衛、治安、防災、教育、医療、介護、食料、エネルギー等々、これら日本国民を守っている様々な安全保障は国家によって成立しています。

また、そうした国家による様々な安全保障は「経済」(国民経済)によって成立しています。

今まさにグローバルな「経営」の論理が、国民の為の「経済」を破壊しようとしています。

今度は私のほうから経済同友会に名称変更の提言をします。

経済同友会という名称を「経営同友会」に改めたほうがいい。

支持率の低下を恐れずに…