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議会報告 川崎市政

有配偶出生率2017/07/15    

豊洲・築地問題の雲行きが更に怪しくなってきた小池都政。

人気先行の感が否めない小池都政にとって、この問題は最大の悩みの種でしょう。

自分の支持率を高めるために、共産党の作り上げたレトリックに乗って豊洲問題を政局化してきたツケが、舛添前都知事のせこい公金使用顔負けの規模の負担となって都民に襲いかかろうとしています。

東京都政には他にも様々な問題が山積しているのに、マスコミ的には相変わらず不毛な議論と時間が費やされているようです。

さて、先日の日本経済新聞に、「東京の出生率が全国で最下位」という記事が掲載されていました。

『東京の出生率、全国で最下位(Tokyo Data)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK27H45_Y7A620C1000000/

厚生労働省の2016年人口動態統計によると、1人の女性が生涯に産む子どもの数を指す合計特殊出生率で東京都は1.24。全国平均の1.44を大きく下回る。47都道府県をランキング付けすると最下位だ。(後略)』

そこで下のグラフをご覧ください。

東京圏、名古屋圏、大阪圏における人口転入超過数の推移です。

上のグラフをみますと、立派な都市圏であるはずの名古屋圏や大阪圏であっても、もはや転入超過数はほとんど増えておらず、ひたすらに東京圏への転入超過だけが進んでいます。

東京圏とは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一都三県を指しますが、むろんその中でも最も転入超過なのは東京都です。

東京への一極集中は是正されるどころか、まるで東京そのものがブラックホールと化したように日本中の人口を吸収しています。

その東京都の出生率が47都道府県の中で最も低いのですから深刻です。

東京都の出生率 = 1.24  (全国平均 = 1.44)

つまり「東京への一極集中」そのものが、我が国の少子高齢化に拍車をかけています。

東京への一極集中が止まらないのは、詰まるところ地方には仕事がないので、仕事のある東京に人が集まってしまうためです。

地方に仕事がない最大の理由は、ひとえに東京と地方のインフラの差です。

東京が圧倒的なGDP(所得の合計)を有しているのは、47都道府県で最大のインフラ充実都市だからです。

また、地方都市と大都市圏を時間的に近く結ぶことのできる高速道路や新幹線などの交通インフラの整備が、日本はたいへんに遅れています。

なので地方の商圏が広がっていかない。

商圏が広がらないとGDPは増えない。

47都道府県で一番GDPが低い県は鳥取県で、やはり鳥取県は47都道府県で最もインフラ貧困地域です。

そしてもう一つ、少子化の原因となっている問題は何といってもデフレです。

デフレとは物価の下落率以上に、実質賃金が下落していくマクロ経済現象です。

即ち、総体的な国民の貧困化です。

そこで、さらに下のグラフをご覧ください。

ご覧のとおり、一人の女性が一生に産む子供の平均数を示す「合計特殊出生率」は依然として低迷しているのですが、その一方、赤い折れ線グラフである「有配偶出生率(‰)」は、1990年を底に持ち直しています。(‰は、分母が1000)

即ち、配偶者のいる女性の出生率はさほど下がっていないのです。

下がっているのは、有配偶率です。(青い折れ線グラフ=女性の有配偶率)

有配偶率が下がっている理由も様々ですが、その一つにはデフレによる国民の貧困化があることは間違いありません。

言わずもがな、家庭を維持するには一定程度の所得(経済力)が必要です。

要するに、結婚できるほどの所得(経済力)を有している家庭の出生率はそれなりに高い、ということです。

なのでデフレを解消し有配偶率を引き上げることができれば、合計特殊出生率を引き上げることも十分に可能であると考えます。

いつも言うように、デフレを解消するには総需要(消費・投資)の不足を埋める必要があります。

例えば投資でいうと、地方と都市部、もしくは地方と地方とを結ぶための交通インフラ(高速道路・新幹線)などへの投資です。

それによって、東京への一極集中が是正されます。

あるいは、近い将来に必ずくるであろう巨大地震への備え、即ち防災投資です。

むろん投資のみならず、これまでの緊縮財政路線によって診療報酬や介護報酬が容赦なくカットされてきましたので、その弱体化した医療制度や介護制度を立て直すための政府支出(消費)を拡大し、国民の生活安全保障を確立していくのもまた立派なデフレ対策です。

議員や政治家と呼ばれる人たちの多くがデフレを軽視していますが、現在の我が国に山積している諸課題の根底には常にデフレ問題があります。

その処方箋は、一部の識者によって既に示されているのですが、いわゆる「日本財政破綻論」というインチキデマがそれを阻んでいます。

残念ながら、川崎市のような地方行政もまた、こうした「日本財政破綻論」に毒されています。