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議会報告 政治・経済

緊縮財政派の巻き返しに負けるな2017/07/14    

与党である自民党内にも、きちんと「経済」や「財政」というものを理解している政策的良識派が何人かいます。

彼らはようやく、有志議員を募って政府や与党幹部などに財政出動(政府支出の拡大)の必要性を説きはじめました。

過日も、財政出動の必要性を説いている自民党衆議院議員2回生の有志議員たちが、財政規律至上主義の権化たる財務省から睨まれることをも覚悟して、政府支出の削減目標となっている「2020年PB黒字化目標」の撤回を政府に提言しました。

言わずもがな、この馬鹿げた「2020年PB黒字化目標」こそが我が国のデフレを長期化させているからです。

くどいようですが、デフレとは、国家を発展途上国化させ、防災力を毀損させ、国防力を低下させ、技術力を衰退させ、詰まるところ国民を貧困化させる経済状態のことです。

彼らは、このデフレを脱却するための真っ当な提言を行ったわけです。(財務省を中心とした緊縮財政派を敵に回しながら…)

与党の国会議員としては、けっこう勇気のある行動です。

財務省から疎まれてしまうと総理にはなれない、とさえ政界では言われていますので。

例えば歴代総理の顔ぶれをみても、こんなのがよく総理になれたな、と思わせるような政治家が何人かいますが、その類は必ずと言っていいほどに財務省の覚えめでたかった人たちです。

緊縮財政の推進はもちろんのこと、あまつさえ消費税率の引き上げなどに貢献した日には、よほどに財務省から感謝されます。

また、それまでは財政出動派だったのに、閣僚になった途端、急に緊縮財政派に転じた節操なき政治家も何人かいます。

このような節操なき連中が多い中、真っ当な政策を訴える政治家もいるのです。

その一方、ここにきて財務省をはじめ、財務省に媚びを売るメディア、政府機関、与党議員らによる激しい抵抗がはじまりました。

即ち、財務省を中心にした緊縮財政派による巻き返しです。

まぁ予想通りといえば予想通りなのですが、例えば下の記事…

『20年度の基礎的財政収支、楽観シナリオでなお赤字8兆円
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18858300U7A710C1EA2000/

内閣府は2020年度の国と地方をあわせた基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)について、8.1兆~8.2兆円の赤字になるとの見通しを近く公表する。事実上の国際公約である「20年度までの黒字化」は達成が極めて難しい情勢。歳出を増やす圧力が強まる一方で、国も地方も税収の減少基調が鮮明だ。アベノミクスはまき直しを迫られている。(後略)』

内閣府からは、国と地方を合わせた基礎的財政収支(PB)が赤字になる見通しが発表され、それを財務省の御用新聞のごとき日本経済新聞が嬉しそうに報道する。

日本経済新聞は、PBの2020年黒字化こそが事実上の国際公約のごとく書いていますが、G20サンクトペテルブルグ首脳宣言での国際公約はあくまでも「政府債務対GDP比率の低下」です。

2020年PB黒字化などは日本政府の自主目標にすぎません。

普通に考えて、優先されるべきは自主目標よりも国際公約でしょうに。

ところが記事では、自主目標である2020年PB黒字化のほうをクローズアップさせ、正式な国際公約である「政府債務対GDP比率」のことについては触れない。

要するに「国民の皆さん、このままでは財政規律を保てませんよぅ~」「財政規律を保てないと、皆さんの将来は不安ですよぅ~、すご~く!」と、国民に対して恐怖を煽っているわけです。

こういう情報操作的記事を平然と書くのが日本経済新聞です。

単年度PBが赤字になっている最大の要因は、デフレの長期化によって税収が増えていないからです。

デフレを解消し、経済を成長軌道に乗せることができれば普通に税収は増えていきます。

むろん、少子高齢化により増えていく社会保障費以上の成長だって可能です。

国際公約となっている「政府債務対GDP比率」とは、分子が政府債務、分母がGDPです。

ということは、分子の政府債務を減らし、分母のGDPを増やす政策こそが求められているわけです。

その政策こそが、まさにデフレ脱却を目的とした財政出動です。

デフレを解消すれば税収が増えますので、分子の政府債務は減ります。

また、デフレを解消すれば需要が拡大しますので、分母のGDPも拡大します。

即ち、政府債務対GDP比率は低下していくことになります。

こうして政府債務対GDP比率を低下させていく過程で、徐々に単年度PB(基礎的財政収支)を均衡化させていけばいいだけの話しです。

ところが緊縮財政派の発想はまったく逆で、単年度PB黒字化のみを重視してデフレを深化させようとしています。

その点、「2020年PB黒字化目標」は「国民貧困化目標」そのものなのです。