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議会報告 政治・経済

まず頑張るべきは…誰だ!?2017/07/13    

内閣支持率を下げ続けている安倍政権。

とはいえ、まだ支持率30%は切っていないので、死に体ながらももうしばらくはもつでしょう。

内閣の改造によって起死回生を図ろう、という魂胆なのでしょうが、総理の期待するような人気者議員が、はたして先行きの怪しくなってきたレームダック内閣に入閣してくれるのでしょうか。

それにしても安倍内閣の顔ぶれは凄かった…

「あの大地震が東北で良かった!?…」みたいな発言をして失脚した復興大臣。

「学芸員はがん…」発言で、苦し紛れの言い訳をしていた地方創生担当大臣。

組織犯罪防止法の成立をめぐっての法務大臣の対応も酷かったですし、先日の都議選で自民党の候補者たちを泣かせた防衛大臣のお粗末な選挙応援もありました。

大臣のみならず、長靴を忘れてしまい職員に背「負われた」まではよかったけれど、ついでに政務官まで「追われて」しまった人もいました。

ほか、秘書への暴言等で離党した代議士さんなどを含め、与党議員らの度重なる不祥事が続いてきたこともまた、内閣支持率の低下に大きな影響を与えているのでしょう。

ただ、それらはあくまでも表層的な現象にすぎず、その根底には、長引くデフレによって国民のなかに堆積してきた「鬱積とした経済的不満」があることを見逃してはならないと思います。

デフレを概念として認識してはいないものの、生活実感として、あるいは勤務実感として、働けど働けど楽にならない、というデフレマインドが長い時間をかけて国民感情のなかに鬱積されてきたのだと推察します。

デフレ突入以降、もう既に20年ですから。

デフレは、物価と給料がともに縮小することによって「消費」と「投資」を低迷させます。

「消費」の低迷は現在の貧困化であり、「投資」の低迷は未来の貧困化です。

今も未来も貧困では、「我ら国民がこんなに苦労しているのに、やつら政治家や公務員たちはいったい何をしているのかっ!」という鬱屈とした不満や不信が蓄積されて当然です。

国民の不満もさることながら、我が国の国力そのものを衰退させているのもまたデフレです。

国力とは、モノやサービスを自前のリソースで生み出す力(供給能力)のことです。

しかし、デフレによって需要(消費や投資)が低迷し続けると、虎の子の供給能力が容赦なく毀損されていきます。

供給能力が毀損されていく、ということは即ち国民の雇用や所得や技術が毀損されていくということです。

であるからこそ、鬱屈とした国民の不満が蓄積し堆積していくわけです。

こうした中、それでもまだ、まったく現実が見えていない現職大臣がいます。

『設備投資不足、賃上げの壁に 経財白書7月中にも閣議提出
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18792480S7A710C1EE8000/

内閣府は2017年度の経済財政報告(経済財政白書)で、賃金が上がらない要因は「企業の投資不足にある」との見方を示す。日本のバブル期や海外と比べても現状での設備投資は見劣りし、賃金上昇の足を引っ張っていると分析。持続的な経済の好循環には賃上げが欠かせず、特に介護をはじめ非製造業での改革と投資増を呼びかける。石原伸晃経済財政・再生相が月内にも閣議に提出する。(後略)』

賃金の上がらない要因が企業の投資不足にある、という点はけっして間違いではありませんが、デフレ経済が続く中で政府が財政を引き締め、企業に設備投資を期待していること自体がお〇〇さんなのです。

お父さんが石原慎太郎さんでなければ大臣になることなどできなった石原大臣にはお解りにならないかもしれませんが、企業が設備投資を行う時ってどんなときでしょうか。

ある程度の需要(消費・投資)が見込める時です。

くどいようですが、需要(消費・投資)が低迷している状態、もしくは需要の見込めない状態をデフレといいます。

なのでデフレが続くかぎり、企業の設備投資が増えることはありません。

であるからこそ、いったん政府が財政規律を緩め、かつ政府支出を増やすことで需要を創出(拡大)するしかない、ということです。

政府による需要創出(支出拡大)でデフレギャップが埋まった時、デフレ経済からマイルドなインフレ経済に移り、企業にとってある程度の需要が見込める経済状態に変わるわけです。

企業の設備投資が拡大し、国民の賃金が上昇するのはそれからのことです。

下のグラフをご覧ください。

1998年にデフレに突入して以降、民間企業の設備投資はほとんど横ばいです。

一方、政府による投資(公的固定資本形成)は1997年以降、一貫して減らし続けています。

公的固定資本形成という政府の投資(用地費を除いた公共事業費)は、今やなんとピーク時の半分です。

このことがデフレ経済を助長してきましたし、加えて、何といっても超自然災害大国である我が国の災害への備え、即ち防災能力を毀損してきたのです。

とはいえ、べつに公的固定資本形成ばかりが政府による支出ではありません。

子育てや教育をはじめ、医療や介護などの福祉費への支出だって立派な政府支出です。

また防衛費や技術開発費もしかりです。

地方行政を含め、いま政府が支出すべき行政分野は山ほどあります。

要するに、民間企業の設備投資に期待する以前に「まずはお前(政府)が頑張れよ!」ということです。