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議会報告 政治・経済

再生可能エネルギー固定価格買取制度の弊害2017/07/04    

ここ数年、東京電力から『電気使用量のお知らせ』が届くたびに私は腹が立っています。

何に腹が立っているのかといいますと、請求予定金額の一つ「再生エネ発電賦課金等」という項目、即ちFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度に対してです。

FITは東日本大震災や福島第一原発事故による国民的ショックを利用することで成立したショック・ドクトリン制度ですが、以来、我が国では、安定的な電源である原子力発電所を止めて、太陽光等の不安定電源によって電力不足を補うという試みがなされています。

その代償として、私たちの所得がFIT事業者らに「再生エネ発電賦課金等」というかたちで吸い上げられています。

標準家庭の「再エネ発電賦課金」は約700円で、年間にするとなんと8000円を超えます。

そうした負担を私たち日本国民は強いられているのです。

再エネ賦課金の総計は、ついに2兆円を突破しています。

つまり、一般国民や企業の2兆円もの所得が、FIT事業者らに収奪されているという話しです。

こうした負担もまた、デフレ圧力になります。

2兆円といったらGDP比0.4%ですので、結構な金額です。

むろん、外国の投資家や企業にも、家計や企業の所得が賦課金として移転されています。

因みに、下のグラフのとおり、G20上位9カ国の家庭用電力料金を比較しておきます。(ドイツもイタリアも「脱原発」国)

仄聞するところによりますと、FITは太陽光パネルを製造している日本企業にすらも、ほとんど恩恵がないそうです。

太陽光パネルのほとんどがChina製なのだとか。

ただ、おカネや所得の問題だけではありません。

そもそも再生可能エネルギーによって発電された電気を、需要を無視して既設の送電網に送り込むことになれば、当然の結末として電力サービス全体が不安定化します。

酷いのは、仮に電力会社の送電網のキャパシティに不足が生じたとしても、FIT事業者はインフラ増強に必要な費用を負担しなくてもいいのだそうです。

風力と比べ不安定な太陽光に投資が集中しているため、発電の不安定性を回避しなければならない電力会社は、結局のところ火力発電を待機させざるをえないのだとか。

また、懸念されるのは、原発を止めていることで電力会社の収益力が落ち込んでいることです。

四半期ごとに利益を上げなければならない電力会社は、今やメンテナンス費用のコストカットにまで動いているようです。

メンテナンス費用までもがカットされているとなると、将来のために必要な技術開発投資や設備投資などは更に削られていることでしょう。

下のグラフのとおり、デフレ突入以降、ただでさえ電力10社の設備投資費用は停滞しているというのに…

設備投資や技術開発投資が縮小してしまうということは、電力供給能力が将来的に低下していくことを意味します。

メンテナンス費用がカットされれば、故障や事故の確率も高まります。

とりわけ、廃炉事業を進めるためにも技術開発投資が必要なのに。

こうしたことを考えていくと、明らかに我が国のエネルギー安全保障は弱体化しています。