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議会報告 政治・経済

政府債務と民間債務2017/06/29    

よく言われていますように、日本の政府債務残高対GDP比率は2016年時点で239%です。

ただし、ここで言う政府債務はあくまでも「政府の負債」であって、「国の借金」ではありませんのでご注意を。

確かに、米国やChinaに比べてもかなり大きな数値になっています。

しかしながら、だからと言って日本政府が財政破綻(デフォルト)することはありませんのでご安心を。(※デフォルトとは債務不履行、即ち債務の元利金の返済が滞ること)

なぜなら、かつてデフォルトを経験したギリシャ、アルゼンチン、ロシアとは違い、我が国の政府は自国通貨建て(円)で国債を発行しているからです。

デフォルトしたギリシャはユーロ建て、アルゼンチンやロシアはドル建てで国債を発行し、その返済に窮しました。

ギリシャの中央銀行にユーロを発行する権限もなければ、アルゼンチンやロシアの中央銀行にもドルを発行する権限はありません。

なので資金がショートすると、即デフォルトするわけです。

一方、我が国の中央銀行たる日本銀行は円という自国通貨を発券する権限を有しています。

その日本銀行を子会社にもつ日本政府が、円建てで発行した国債の元利金を払えなくなることなどありえません。

現に今でも、量的緩和(日本銀行が市中の国債を購入すること)によって、政府債務が圧縮されています。

青い部分(日銀保有分)については、政府の元利金返済は事実上不要です。

一応、政府は日銀に対して元利金を返済しますが、返済された日銀はそれを国庫納付金としてまた政府にお返ししています。

要するに、親会社である政府の負債を子会社である日銀が購入すると、債務と債権は相殺されて消えてしまうのです。

とはいえ、政府債務対GDP比率の縮小は財政健全化目標でもありますので、これを縮小していく努力をしなければなりません。

ではそもそも、なぜ政府債務対GDP比率が拡大したのかです。

答えは簡単で、たんにデフレで名目GDPが拡大しないからです。

名目GDPが拡大しないと、当然のことながら税収が不足します。

税収が不足すると、赤字国債を発行せざるをえないので債務が拡大します。

なのでデフレ下においては、分母の名目GDPが縮小し、分子の債務が拡大するというダブルパンチで悪化していくわけです。

結局、デフレを脱却しないと、政府債務対GDP比率を改善させることはできません。

改善させる手段はただひとつ、安倍政権に2020年度プライマリーバランス黒字化目標を撤回させ、機動的に財政を出動させることでデフレギャップを埋め、民間部門(主として企業)が銀行から借り入れを増やして設備投資することのできる真っ当な経済にもっていくことです。

企業が借金をしてくれないと、経済は成長しません。

逆に言えば、企業が借金をしてくれないからこそ、政府の負債が増えていっているのです。

下のグラフをご覧ください。

日本、米国、Chinaの民間債務残高対GDP比率を見ていただくとご覧のとおり、我が国だけがデフレ以降に急激に減少しています。

くどいようですが、経済成長には民間債務の拡大が必ず不可欠です。

上のグラフのとおり、2000年代以降のChinaが典型的です。

このように見ますと、米国も決して経済がうまくいっているわけではないのがわかります。

現に米国も、なかなか長期金利が上昇せずに苦しんでいます。

むろん、経済成長は国防力にも影響します。

経済が成長すれば必ず税収が増えますので、その国は必ず国防費を増やします。

Chinaは今や我が国の10倍の国防費を費やしているとも言われています。

即ち、我が国は彼の国に、富国でも強兵でも完全に負けているのです。

それほどにデフレは深刻な問題なのです。