〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

有害情報垂れ流しの罪2017/06/25    

今朝、TBS『サンデーモーニング』を観ていましたら、あるコメンテーターが、日銀の総資産額が既にGDPを超えていることを殊更に問題視していました。

ただ、そのことに何の問題があるのかの具体的な解説はなく、ひたすらに戦時体制下の国債増発を引き合いにだして批判しているだけでした。

別に政府は戦争目的で日銀の資産を膨らませているわけでもないのに…

私はこれまで、この番組でまともな経済評論家を観たことがありません。

(たまには出してほしい…)

そうでないと、この番組は、こと政治経済問題については有害情報垂れ流し番組になりつつあります。

更にこのコメンテーターは「こんなやたらに金融資産を買い込んでいる中央銀行は他にない」とも発言していましたが、生半可な知識で解説しようとするその神経がすごい。

リーマン・ショックの際、米国政府は中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)の緊急融資付きで巨大保険会社のAIGを公的救済したのは有名な話しです。

FRBに当座預金口座を開設していない保険会社に対しては、連銀融資という禁じ手を使ってまでやりました。

このときFRBのバランスシート上の資産は、金融機関が窓口融資の担保として差し入れた資産、及び金融機関から買い上げた債券によって一気に倍増したのです。

この金額分により、当時の米国の金融機関に流動性(預金準備)が供給されたわけですが、なんとFRBが買い上げた債権は、主として既に焦げついていた住宅ローン担保証券(MBS)という不良債権です。

こうしたFRBの果敢な措置によって、あのリーマン・ショックという世界的な金融危機は最小限に食い止められたわけです。

べつに現在の日銀は、当時のFRBのように不良債権を購入しているわけでもありませんし、日銀の総資産が増えたところで、我が国が絶大なる生産能力をもっている以上、何ら問題はありません。

問題がないから、長期金利が上昇していない(国債が暴落していない)のです。

問題があるのは、これだけ日銀の資産を拡大してきたにもかかわらず、即ちマネタリーベースを拡大してきたにもかかわらず、一向にインフレ率(消費者物価指数)が上昇しないことです。

現在の我が国が抱えている最重要課題は、国民を貧困化させ、国を発展途上国化しているデフレです。

そのデフレを脱却するためには、インフレ率が上昇していかなければなりません。

インフレ率が上昇しない理由は簡単で、たんに政府がデフレ退治のための財政出動をしないからです。

私は、TBS『サンデーモーニング』でデフレを問題視した解説を聞いた試しがありません。

本来は手段であるはずのPB黒字化目標の目的化、あるいは日本財政破綻論という虚論、更にはネオリベラリズムに基づく構造改革の神聖化などなど、デフレ脱却を阻む様々な政治的要因が跋扈していますが、前述コメンテーターのような「日銀の資産がぁ~」という無知解説もまたデフレを助長しているものの一つです。