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議会報告 政治・経済

実質賃金5ヵ月連続でマイナス - 歪められる報道 -2017/06/24    

昨日(6月23日)、厚生労働省から4月の実質賃金(確報値)が発表されました。

それを伝える日本経済新聞の記事を読みますと、現実を正しく報道しようという姿勢が全く感じられません。

『実質賃金4月横ばい 毎月勤労統計確報
http://ryusuke.sakura.ne.jp/wordpress/wp-admin/post-new.php

厚生労働省が23日発表した4月の毎月勤労統計確報(従業員5人以上の事業所が対象)によると、物価変動の影響を除く実質賃金は前年同月比で横ばいだった。名目賃金を示す現金給与総額は27万5224円で前年同月比で0.5%増えた。実質、名目ともに前年同月比の増減率は速報段階から変わらなかった。』

どうでしょうか。

おそらく多くの方々が、上の日本経済新聞の記事を読んで「数値は横ばいで、現金給与総額というのが増えているから、なんとなくいい線いってるんじゃないの…」という印象をお持ちになられたのではないでしょうか。

実に、財政出動を封じ込めたい財務省の御用新聞らしい書き方だと思います。

指標が悪化すると、財政出動を望む政治的な声が高まってくるので、彼ら(緊縮財政派)は少しでも指標をよく見せたいのです。

過日に為された経済成長率の報道でも、名目GDPとGDPデフレーター(物価水準)がマイナスであったという極めて重要な事実には目をつむり、「実質GDPは5ヵ月連続でプラスでしたっ!」とやるわけです。(実質GDPだけがプラスなのはデフレのためで確実に国民は貧困化している)

さて、日本経済新聞は「現金給与総額の対前年同月比が横ばい」と言っていますが、横ばいというよりも正確には「0%」なのです。

それに「現金給与総額」よりも、「きまって支給する給与」のほうが実体を反映していますので、記事が「きまって支給する給与」について一切触れていないのには何やら裏を感じます。

厚生労働省の解説ですので少し堅い文体なのですが、同省によれば…

「現金給与総額」とは、賃金、給与、手当、賞与その他の名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に通貨で支払うもので、所得税、社会保険料、組合費、購買代金等を差し引く前の金額です。(退職を事由に労働者に支払われる退職金は含まれない)

一方、「きまって支給する給与」とは、定期給与のことで、労働協約、就業規則等によってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によっ て支給される給与、即ち基本給です。(家族手当、超過労働手当を含む)

たしかミルトン・フリードマンの言葉だったと記憶していますが、「恒常的に支給される給与が増えていかなければ豊かになったとはいえない」という彼にしては珍しく真っ当な言葉を遺しています。

要するに、実質賃金をみるときには「きまって支給する給与」(基本給)が大事だ、ということです。

その「きまって支給する給与」で4月の実質賃金(確報値)をみてみますと下のグラフのとおり、5ヵ月連続でマイナスです。

グラフのとおり、横ばいどころではありません。

なお、日本経済新聞は前述の記事で「名目賃金を示す現金給与総額は27万5224円で前年同月比で0.5%増えた」と書いていますが、どんなに名目の総額が増えたところで、肝心の実質値で増えていなければ全く意味がないのです。

と言いますか、そもそも名目値は増えて当然であって何の自慢にもなりません。

本来は「物価」も「名目」も「実質」も、そのすべてが上昇しなければならないのです。

何よりも「きまって支給する給与」という実質賃金が昨年同月比でマイナスになっているということは、昨年同月に比べ私たち日本国民は着実に貧困化しているということです。

ここのところ、都議選や政治家のスキャンダルなど、選挙、政局に関わる報道で溢れていますが、私たち日本国民にとって最も重要な報道は政治経済(経世済民)です。

残念ながら、現在の日本では、経世済民を正しく報道してくれるメディアはほんのごく一部です。

それが我が国の現状かと思われます。