〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 川崎市政

単年度PB黒字化教団の罪2017/06/21    

明日(6月22日)、関係閣僚会議が開かれ、6月の『月例経済報告』が決められます。

日本経済新聞の報道によれば、今回、景気の基調判断が引き上げられるとのことです。

引き上げ理由は、「個人消費が堅調に推移している!? 」ことなのだとか。

よって、基調判断から「一部に改善の遅れもみられる」との表現が削除されます。

政府が基調判断を上げるのは2016年12月以来、6カ月ぶりなわけですが、個人消費は本当に堅調に推移しているのでしょうか。

まず、消費者物価指数をみますと、下のグラフのとおりです。

因みに、個人消費が堅調に推移しているのなら、消費者物価指数も堅調に推移します。

断っておきますが、日銀の目標(インフレ・ターゲット)は、コアCPIで2%です。

未だ、その2%に遠く及んでいないのです。

さらには、民間最終消費支出、いわゆる個人消費のデフレーターの増加率をみますと、下のグラフのとおりです。

グラフをご覧のとおり、近似曲線をみても軟調に「右肩下がり」です。

こうした数字や現実を無視して「消費が堅調だ」と言うのも、今流行りの「印象操作」なのでしょうか。

仮に印象操作なのだとすると、その目的は何か?

きっと、デフレ脱却のための「財政出動論」を潰すことでしょう。

政府内には依然として、緊縮財政派が跋扈しています。

即ち、あくまでも単年度のPB黒字にこだわる人たちです。

PB(プライマリー・バランス)とは、「借金の元利払いを除いた歳出」と「税収」とのバランスのことです。

借金の元利払いを除いた歳出  税収
…の状態がPB黒字です。

それを単年度で黒字化しよう、とするのが単年度PB黒字化です。

しかしながら、単年度PB黒字化にこだわるかぎり、絶対に財政出動はできなくなります。

とりわけ、デフレ期によるPB黒字化はさらなるデフレ圧力になって、名目GDPを縮小させてしまい税収を減らします。

つまり、デフレ期のPB黒字化は財政健全化そのものの敵なのです。

彼ら「PB黒字化」派は、デフレ期における消費税率の引き上げによって財政健全化を成し遂げようとしています。

とはいえ、デフレ期に消費税率を引き上げて財政を健全化させようとしても絶対に不可能です。(というか物理的に不可能と言っていい)

財政健全化の定義(目的)は、政務債務対GDP比率の引き下げです。(PB黒字化はその手段)

このとき、分母のGDPを拡大させないかぎり、債務を引き下げることは絶対に不可能です。

なぜなら、GDP減少は税収減をもたらし、税収減分の債務(赤字国債)を増やすことになるからです。

それとは逆に、建設国債を発行して(財政支出を拡大して)デフレを脱却すると、一時的にPBは赤字化しますが、GDPが拡大するので財政健全化(債務対GDP比率の引き下げ)が可能です。

何度でも言います。

PB黒字化はあくまでも手段です。

ご都合的な統計解釈によって悉くデフレ脱却策を握りつぶし、あたかもPB黒字化こそが財政健全化の目的であるかのように吹聴する人たちが国家中枢に巣食っています。

残念ながら、それが我が国の現実です。

実は、川崎市のインフラや福祉がなかなか充実しないのも、こうした「単年度PB黒字化教団」たちが、政府内で幅を利かしているせいなのです。

そのあたりのカラクリを、今度(6月27日)の川崎市議会定例会・一般質問で明らかにして参ります。

むろん、解決策も示します。