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議会報告 政治・経済

あまり当にならないエコノミストの解説2017/06/13    

米国の中央銀行FRB(米連邦準備理事会)による利上げが、ほぼ確実視されています。

『来月の米利上げほぼ確実視、市場予想確率95%
http://jp.reuters.com/article/markets-moneymarkets-dec-us-rate-hike-idJPKBN13G1U6

米短期金利先物相場は、米連邦準備理事会(FRB)による12月利上げをほぼ完全に織り込んだ。FRB高官の発言に加え、トランプ次期政権下で成長率やインフレ率が加速するとの見方が背景にある。(後略)』

面白いことにロイターの記事は、利上げの理由を、トランプ政権の経済政策が成長率やインフレ率の上昇をもたらす、としています。

トランプ政権の経済政策の目玉は、何といっても100兆円規模(円換算)のインフラ整備です。

ということは、ロイターは財政出動が経済成長をもたらすことを暗に認めているわけですね。

でもそのとおりです。

日本経済新聞も、はやくロイターを見習ったほうがいい。

さて、米国が利上げをするとドル高になることが予想されます。

例のごとく経済番組の○○エコノミストたちの多くは「米国の利上げがドル高をもたらし、そのドル高が円安をもたらす」と解説しています。

本当にそうでしょうか。

米国の利上げでドルが高くなるからといって、必ずしも円が安くなるとはかぎりません。

そこで今日は、2001年1月から2017年5月までの円相場と米国の短期金利(FF金利)をグラフ化してみました。

確かに、円相場と米金利には一定程度の相関がみられます(相関係数=0.5)。

とはいえ、思っていたよりも、さほど強い相関(相関係数=0.7以上)はみられませんでした。

ここのところ、黒田日銀による量的緩和によって円安傾向にありました。

ところが昨年以降は、米国のFF金利が徐々に引き上げられているにもかかわらず、むしろ円高が進んでいます。

今年に入ってまた少し円が買われています。

つまり、○○エコノミストたちの解説とは反対に…
米国の利上げ =ドル高=円高
…という状況になっています。

どうしてでしょう。

理由は様々ありますが、大きな理由の一つは、国内外の投資家たちが円キャリートレードという投資を行っているからです。

ご承知のとおり、我が国の経済は20年間にわたりデフレです。

デフレとは資金需要の不足状態ですので、むろん超低金利になります。

その日本の割安(超低金利)な円を調達し、その円資金を元手に新興経済国などに投資している人たちがいます。

これを円キャリートレードといいます。

ところが、何らかの理由で新興国経済が混乱したり悪化したりしたとき、投資家たちは投資資金を引き揚げねばなりません。

投資資金を引き揚げた投資家たちはその元手資金を、当然のことながら円ベースで返済することになります。

そのときに円が買われます。

だから円高になるわけです。

あるいは米国の利上げによって新興国に投じていた資金を米国マーケットに戻そうとする投資家は、引き上げた投資資金の一部を円で返済しなけれなりません。

その時また円が買われることになります。

これらの現象を「円の巻き戻し」といいます。

ほかにも円高の理由として、リスクオフ(有事の円買い)という側面もあります。

有事になると円が買われるということは、日本政府がデフォルト(債務不履行)する可能性は極めて低いということを世界の投資家たちが認めているということです。

不換紙幣はタダの紙切れ通貨です。

なんら貴金属の裏付けはありません。

その紙切れをおカネとして価値を保障しているのは国家なのですから、その国家が発行する通貨が買われている以上、日本という国家の信用は揺るぎないということになります。

なのに「これ以上、財政出動(借金)をすると国際社会からの信認がぁ~」とか言って世の不安をあおる人たちがいるわけです。

前述の○○エコノミストたちの多くがそうですね…