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議会報告 政治・経済

石原大臣の矛盾発言2017/06/03    

石原伸晃経済財政・再生相が、またまた無知をさらけ出しています。

『石原経財相、20年度のPB黒字化目標「位置付け何ら変わらず」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL02HSO_S7A600C1000000/

石原伸晃経済財政・再生相は2日夕、経済財政諮問会議後の記者会見で、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化目標については「位置付けは何ら変わっていない」と強調した。国内総生産(GDP)に対する債務残高の比率の安定的な引き下げについて「金利と景気の拡大との間に差があるような経済状況をつくっていくことが重要だ」と語った。』

石原大臣の言うように「金利と景気の拡大との間に差があるような経済状況をつくっていくことができれば、「政府負債対GDP比率を引き下げていくこと」は十分に可能です。

「金利と景気の拡大との間に差があるような経済状況」とは、長期金利が低迷している間にデフレを脱却し名目GDPの成長率を拡大させる、ということを言っています。

即ち「政府債務 ÷ 名目GDP」 の比率を低下させることです。

政府債務対GDP比率の引き下げは、G20サンクトペテルブルグ首脳宣言における国際公約でもありますので、なるほど存分にやるべきです。

であるならば、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化目標に固執する必要がいったいどこにあるのか???

念のため、プライマリー・バランスについて説明させて頂きます。

プライマリー・バランスとは、債務返済を除いた歳出と税収の差のことです。

債務返済を除いた歳出 > 税収 …の状態であればPBは赤字です。

債務返済を除いた歳出 < 税収 …の状態であればPBは黒字です。

今まさに『2020年PB黒字化目標』達成にむけて、安倍政権はものすごい勢いでPB赤字の縮小(黒字化)、即ち緊縮財政を断行しています。

緊縮財政を断行しているからこそ、デフレを脱却できない。

つまり『2020年PB黒字化目標』が、「金利と景気の拡大との間に差があるような経済状況」ぶち壊す元凶になっているわけです。

そもそも『2020年PB黒字化目標』なるものは、あのダメダメ政権だった菅内閣時代に閣議決定されたものであって国際公約でも何でもありません。

そのダメダメ内閣の閣議決定に縛られ緊縮財政路線にひた走っている自分たちこそが「金利と景気の拡大との間に差があるような経済状況」をつくれなくしていることに、どうして石原大臣は気づかないのでしょうか。

L・ランダル・レイの『現代貨幣理論』によれば、政府の赤字は経済にとって「正常」な状態であるとのことです。

それもそのはずで、なぜなら経済には…
国内政府部門の収支 + 国内民間部門の収支 + 海外部門の収支 = 0
という恒等式があるからです。

なので、国内政府部門がPBを黒字化しようとすれば、国内民間部門のPBは赤字化することになります。

即ち、政府債務 民間債権 とうことです。

例えば仮に、政府部門が10兆円のPB改善を行った場合、そのまま10兆円分の需要(名目GDP)が縮小することになります。

名目GDPが縮小することを「デフレ化」と言います。

名目GDPが縮小すると、当然のことながら税収が減ります。

税収が減るから政府PBが悪化するわけです。

逆説的な言い方ですが、もし政府PBを継続的に黒字化したいのであれば、一旦は政府PBを赤字化して政府支出(名目GDP)を増やすことです。

名目GDPを継続的に増やしてデフレを脱却(インフレ化)することができれば、税収は自然に増えてゆき、結果として政府PBは改善します。

ところが今、『2020年PB黒字化目標』が政府の支出拡大(財政出動)を阻んでいるのです。

どうしてもこのことが、石原大臣には理解できないようです。