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議会報告 川崎市政

続・正しい創業支援とは…2017/06/01    

昨日のエントリー『正しい創業支援とは…』の続きです。

しばしば我が国には「日本も米国を見習ってベンチャー企業やベンチャー・キャピタルを盛んにしなければっ!」という人がおられます。

そういう人は必ず「あのシリコンバレーではっ!」と二の句をつぎます。

さて、ロイター社が興味深い調査をしています。

調査の対象は、ベンチャー・キャピタルのトップ5社が2011年から2013年前半に出資したシリコンバレーのベンチャー企業88社です。

何を調査したのかと言いますと、ベンチャー・キャピタルの投資判断の基準でした。

調査の結果、その88社中70社の創業者が以下のいずれかであることが解りました。

1) 大手It企業での幹部職経験者や、影響力をもつ人物と関係のある会社に勤めていた人

2) すでに起業の経験がある人

3) スタンフォード大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学のいずれかで学んだ人

お解りですか?

要するに米国のベンチャー・キャピタルの投資判断基準は、「学歴」「職歴」「コネ」なのです。

米国かぶれの自虐日本人が思っているように、やる気と構想力のある名もない若者に対してベンチャー・キャピタルが気前よくおカネを出しているわけではないのです。

スコット・A・シェーン『<起業家>という幻想』によれば、米国の典型的なベンチャー企業は創業者の貯蓄から資本を捻出しているのが実状で、ベンチャー企業に対する資金供給は商業銀行からの融資と出資が半々なのだそうです。

なお、ベンチャー・キャピタルからの資金は全スタートアップ企業の約0.03%以下で、全中小企業の2%以下なのだとか。

それに典型的なスタートアップ企業は全然イノベーティブではなく、加えて成長の計画もなく、たいてい雇っているのは一人ぐらいで、ほとんど雇用を生み出さないのだそうです。

米国かぶれ自虐日本人の多くが理解していませんが、シリコンバレーでハイテク・ベンチャーが盛んなのは、シリコンバレーが米国の軍事産業の集積地だからです。

ハイテク・ベンチャーによるハイリスクな技術開発投資の約6割以上が政府系の融資プログラム(SBIR)によるものです。

融資を主導しているのは民間のベンチャー・キャピタルではないのです。

そもそも米国でIT革命が起きたのも、米国が超軍事大国だったからです。

よく知られているように、世界発のデジタル式コンピューターはミサイルの弾道計算をするために陸軍の資金提供を受けて開発されました。

あるいはベル研が開発したトランジスタも陸軍通信隊による資金提供を受けて応用開発されたものです。

インターネット、GPS、タッチ・パッド、グーグル・アースの衛星画像等々、ことごとく国防総省主導のもとに開発されたものです。

スティーブ・ジョブズ氏やマーク・ザッカーバーグ氏らは、そうした国家が主導する軍事技術開発のマーケットに乗っかってひと儲けしたに過ぎません。

それでもなお「日本も米国のようにハイテク・ベンチャーを盛んにしたい」と言いたい米国かぶれ自虐日本人の皆さんは「日本も米国のように軍事大国化しなければ」と言うべきでしょうに。

そんなことより、去る5月26日、総務省から4月の消費者物価指数が発表されました…
生鮮食品を除く総合(コアCPI)は+0.3%
酒類を除く食料とエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は-0.3%

という結果ですが、産油国の減産によって原油価格が上がったことからコアCPIはかろうじてプラスになっていますが、お酒を除く食料とエネルギーを除いたコアコアCPIは3ヵ月連続でマイナスです。

そこで、コアCPIとコアコアCPIの推移をグラフ化します。

オレンジ色の折れ線グラフ(コアコアCPI)を見てのとおり、我が国経済が昨年から再デフレ化しているのがよく解ります。

今、政府及び地方行政が一丸となってやるべきことは、雇用拡大にほとんど寄与しない米国かぶれのベンチャー支援などではなく、国民を貧困化させ創業の機会を阻み続けているデフレ経済からの脱却です。