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議会報告 川崎市政

正しい創業支援とは…2017/05/31    

川崎市の経済労働局は、国から認定を受けた「川崎市創業支援事業計画」に基づいて、創業支援を行っています。

市内での起業を検討もしくは準備されている方、あるいは創業後の事業拡大に苦心されている方などを支援しています。

結論から申し上げますが、起業率(開業率)を上げるための最も効果的な施策は「デフレからの脱却」です。

デフレを脱却できないままでは、絶対に起業率(開業率)は上がりません。

ところが、幾度となく議会で取り上げ提言させて頂いているのですが、本市当局はデフレの意味を正しく理解しようとしてくれません。

あるいは、市内にはいくつかの経済団体がありますが、そうした団体もデフレ(マクロ経済)に対して全くもって無頓着です。

先日も、ある会社の社長に下のグラフを見せつつ、市政当局にはマクロ的視点が欠如している点を指摘したところ、その社長いわく「市内の商店主が儲からないのは、良い商品をつくるという努力が足らないからだ」と言われました。

しかし、努力をして新しい商品や珍しいサービスを作ったからといって、必ずしも売れないのがデフレ経済です。

それに各事業者における努力云々の話しは、まさに「ミクロ」の話しです。

結局、この方もまたマクロ的な視点が欠如しているのです。

要するに、本市当局と同様にマクロ的視点が欠如しているうえに、デフレの意味を理解されていないのです。

おそらくはこの方も、いわゆる「主流派経済学」に洗脳されているのだと思われます。

驚くなかれ、主流派経済学はデフレを想定していません。

というか主流派経済学は、そもそも物々交換を前提とした経済思想ですので、常に需要と供給が一致しているという考え方なのです。

なので「デフレは貨幣現象!?」というバカげた結論に至るわけです。

また、主流派経済学には「セイの法則」というものがあって、生産されたモノやサービスは必ず需要される、というのです。

完全にデフレを舐めた仮説です。

例えば、セイの法則からすると「弁護士の数を増やしたら弁護士の数を増やした分だけ必ず訴訟が増える」となります。

バカげてますでしょ。

なので、前述の方のように「努力して新商品を作れば、必ず売れるんだ」という発想になってしまうわけです。

総務省のデータによれば、日本の開業率が最も高かったのは高度成長期です。

1969~1972の開業率7%をピークにして一貫して下がり続け、1996~1999の開業率は4.1%にまで落ち込んでいます。

また廃業率はというと、1996~1999の廃業率は5.9%で、デフレ突入以降は開業率よりも廃業率のほうが上回っています。

そもそもからして、創業支援で開業率を上げようという発想自体が間違いです。

デフレを克服してマイルドなインフレ状態になれば、自然に需要は伸び、新たなビジネスチャンスが生まれます。

即ち、これなら儲かる!…という経済状態になったとき、役所や経済団体の創業支援などあてにすることなく開業する人たちが現れます。

デフレを放置したまま、「事業者の努力がぁ~」などと言っていると、いずれ天罰がくだりますよ。