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議会報告 川崎市政

再び「大阪都構想」という愚2017/05/27    

一昨年の5月17日、大阪市で行われた住民投票の結果、いわゆる「大阪都構想」は否決されました。

その否決されたはずの「大阪都構想」が、性懲りもなく再び議題に上がっています。

『大阪都構想の法定協、市議会が設置案可決 再び議論へ
http://www.asahi.com/articles/ASK5V3VCRK5VPTIL00J.html

大阪市議会は26日、大阪市を廃止して特別区に再編する大阪都構想を具体化する法定協議会(法定協)の設置議案を大阪維新の会、公明党などの賛成多数で可決した。自民党、共産党などは反対した。大阪府議会でも6月に可決される見込みで、来月にも法定協で再び都構想の議論が始まる。(後略)』

構想そのものの欠陥があれだけ指摘され、かつ露呈されてきたのに…

もはや大阪維新の会というより、大阪威信の会と言ったほうがいい。

そもそも「都構想」とは何であったのか?

それは大阪という地方行政に、現在の東京都が導入している「都区制度」という、極めて特殊な制度を導入するというものです。

例えば、大阪都構想を神奈川都構想に置き換えて考えてみましょう。

つまり私の住む川崎市を廃止して、神奈川県を神奈川都にすることになります。

それまでの神奈川県内の自治体は、川崎市、横浜市、相模原市の3つの政令指定都市については特別区に、それ以外の県内自治体は普通の市(特別区以外の市)として再編されることになります。

なので廃止された川崎市は、解体されて5つ程度の特別区に分割されることになるでしょう。

そうするとどうなるか?

まず、年間約3,000億円の川崎市民の税金が市外に流出します。

むろん流出した3,000億円の多くが、川崎市「外」で使われることになります。

現在の川崎市民が納めた税金を一旦は神奈川都に献上し、再び神奈川都内の基礎自治体に再配分することになるわけですが、そうなるとおそらく最も割を食うのは現在の川崎市民と横浜市民でしょう。

現に今でも東京23区の人々は、「東京市」が無いせいで大いに「損」をしています。

また川崎市は、国に対して、それまで政令指定都市として都市基盤や福祉インフラ等の整備について直接的に交渉したり予算を貰ったりするなど、国とのコラボレーションによって市政を進めることができましたが、政令指定都市から特別区になり下がることで、以後は神奈川都を介さなければ何もできない。

いわば、徳川将軍への謁見が許された旗本から、それが許されない御家人に格下げされたも同然です。

財政的な面だけをみても、政令指定都市は事業所税をはじめとした他の自治体にはない財源を有しています。

そうした他の自治体にはない財源を使いつつ、都市計画やまちづくりなどの強い権限をもって様々な取り組みを進めることのできる自治体が、まさに政令指定都市なのです。

大阪市という政令指定都市も、そうした強力な力を有していたからこそ関西や西日本の中心都市として発展することが可能だったわけです。

藤井聡内閣官房参与が既にご指摘されているように、関西の都心である大阪に手厚い権限が与えられたことでキタやミナミ等への集中投資がなされ、それをエンジンに発展してきたのが大阪という街であり、またそのことが関西の活力の源泉となったのです。

残念ながら、都構想によって誕生する特別区には、そのような強力な権限はありません。

要するに神奈川都構想は、単に川崎市や横浜市の解体なのです。

因みに、現在の東京が繁栄した最大の理由は、べつに「都」という仕組みや制度のお陰などではなく、いわゆる「一極集中」の賜物です。

それを大阪威信維新の会は、あたかも都区制度によって東京が発展を遂げたかのように喧伝します。

さらに大阪維新の会は、前回の住民投票で大きな詐欺行為をやりました。

あのときの住民投票で仮に可決されたとしても、すぐには「大阪都」にはならなかったのですから。

あの時の住民投票で問われたのは、法律的に定められた、ある協定書に対する賛否に過ぎませんでした。

その協定書の中には「大阪都」という言葉は一回も出てきません。

そこに出てくるのは、「大阪府」という言葉だけでした。

それはなぜかというと、今の法律の中には、東京都以外の道府県を「都」に名称変更するということが定められていないからです。

なので住民投票でその協定書が認められたとしても大阪都は実現されないのです。

大阪府は大阪府です。

それを「今回の住民投票で可決されれば、すぐにでも大阪都になれる」とやりました。

まるでイカサマ商法の手口です。

再び、大阪市民の良識を信じます。