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議会報告 政治・経済

プライマリー・バランスが将来に禍根を残す2017/05/23    

プライマリー・バランスとは、国債の元利払いを除いた歳出と税収との差額のことです。

その政府が税収だけで政策的経費を賄えているかどうかを図る一つの尺度ですが、我が国のプライマリー・バランスの推移をみますと、安倍内閣は憲政史上もっとも強烈な緊縮財政を断行していることが解ります。

下のグラフのとおり、第二次安倍内閣発足以降(2013年以降)、プライマリー・バランスの赤字が急激に縮減されています。

「プライマリー・バランスの赤字が縮小しているのだから、それはそれで良いことなのではないのか!」と思われるかもしれませんが、現在の日本では全く良いことではないのです。

因みに、2002年から2007年にかけてもプライマリー・バランスが改善していますが、この時期は米国の住宅バブルの恩恵を受けて税収が増えたのであって、べつに安倍内閣ほどの緊縮財政の結果ではありません。

さて、なぜプライマリー・バランスの改善が良くないのか。

プライマリー・バランスの改善目標とは、言い換えてみると、国債発行をいかに縮減するかの目標です。

要するに、いかに借金をしないか、という目標です。

政府の財政を家計簿で発想してしまうと国債発行は悪になってしまいますが、政府の目的を経世済民においた場合、借金(国債発行)は悪ではありません。

例えば、政府が建設国債を発行しなければ、防災安全保障の根幹となる社会インフラの新設や更新ができません。

つまり「借金をしない 」と「未来にむけた投資をしない」は同意なのです。

それからよく「これ以上の借金は、将来世代にツケを残すことになる」と言う人がおられますが、話は全く逆です。

投資(借金)をしないことこそが、むしろ将来世代にツケを残すことになるのです。

ローマは一日して成らずの言葉どおり、インフラは一日にして成らずです。

現在の私たちが便利で安全なインフラや技術革新の恩恵を受けることができているのは、過去に行われてきた投資(借金)や研究開発の賜物です。

その研究開発もこの2年間、安倍内閣の緊縮財政によって縮減しています。

こうしたこともまた、将来世代に禍根を残すことになります。

何よりも、プライマリー・バランスの改善は政府部門による資金の回収になります。

経済とは、政府部門と民間部門との資金循環です。

その政府部門が黒字化(赤字縮小)すると民間部門から資金を吸い上げてしまうことになりますので実体経済は更にデフレ化します。

我が国の虎の子の供給能力が、長引くデフレによって毀損されつづけているわけですが、このこともまた将来世代への禍根です。

よって、重視すべきはプライマリー・バランスではなく、政府債務対GDP比率の低下です。