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議会報告 政治・経済

日米同盟強化論ですらも、お花畑2017/05/22    

今朝、久しぶりに某テレビ局の経済番組をみていて改めて思ったのですが、株価について予測したり解説したりする、いわゆる証券エコノミストの存在意義がだいぶ薄れているような気がします。

いつもいうように、我が国の場合、その取引の7割~8割は海外投資家が占めています。

例えば、今月の第2週(5月8日~5月12日)の東証一部(委託)の総売買代金をみますと、売りの71.4%、買いの77.6%が海外投資家です。

彼ら海外投資家の取引マインドは常に、円高なら売り、円安なら買い、です。

その彼らが取引の8割近くを占めていますので、自然、株価は為替に連動することになります。

この2年間の為替相場と株価の推移をグラフ化しました。

相変わらず、ほぼ相関しているのが解ります。

なので株価の解説は常に「為替に連動しまーす」で済みます。

為替は主として政治情勢で動きますので、証券エコノミストには金融的知識よりもむしろ地政学的な政治知識が求められるのではないでしょうか。

なので、株価の予測や解説をするのであれば、よほどの短期・個別銘柄を対象にしなければあまり意味がないように思います。

でも見ている限り、短期・個別銘柄を事細かに予測解説されている証券エコノミストはあまりおられません。

別に私は株をやらないのでどうでもいいのですが、この種の人たちがありもしない財政破綻論を振りかざして「クニのシャッキンがぁ」とか、デフレなのに「もっと緊縮財政がぁ」とか言って世を惑わしているので大いに困ります。

さて、話しは変わりますが、香港とChina本土の珠江デルタを結ぶ長さ約30キロの橋が完成しようとしています。

北京と香港との緊張が高まっている時期であるだけに「この橋の完成によって経済統合以上の政治的効果が齎される」と期待される一方、試算によると、このプロジェクトの建設費用はなんと約2.1兆円で、「橋は無用の長物だ」との批判が既に上がっているようで、これが完成したところで交通量は1日あたり約4万台程度しか見込めないのだとか。

とはいえ、このプロジェクトがいかなる成果をもたらすのかどうかは別として、おそらくは北京の一帯一路構想の一環であるだけに私ども日本国民としては侮れません。

そこで、一帯一路構想の背景について、改めて確認しておきたいと思います。

彼の国の正確な経済成長率など誰にもわかりませんが、北京が言い張るような高度成長を今もって継続しているとは思えません。

これは信頼できる数字だと思いますが、世界銀行によると、Chinaの鉄道貨物輸送量は下のグラフのとおり2011年をピークに減少しはじめています。

貨物輸送量が減少しつつ、経済が高度に成長することなどありえません。

よって、China経済が既に頭打ちになっているのは確かなようです。

その需要の捌け口としてでてきたのが一帯一路構想かと思われます。

ベトナムやミャンマーやインドなど、東アジアから南アジアにかけたユーラシア大陸のインフラを人民元決済で整備してドルを排除していくのが「一帯」構想、そしてフィリピンやインドネシアなど東シナ海から南シナ海に面する国々のインフラを同じく人民元決済で整備するのが「一路」構想です。

その金融的な裏付けとなるファンドが北京が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)です。

要するに、一帯も一路もともに、米国とドルを域外に排除することが最大の政治目的なのです。

それにChinaにとってはデフレ対策としても都合よく、国内の供給能力過剰問題を、この一帯一路構想で解消しようということなのでしょう。

たしか鳩山何某という元総理は「AIIBに日本も参加しよう」と言っていませんでしたっけ?

いかに何も解っていなかったか、です。

また、TPPがその対抗措置であるかのように言う人もおられますが、TPPに参加しようとする国のほとんどがAIIBに参加しています。

このことはTPPがAIIB包囲網にならない決定的な証左でもあります。

「だからこそ日米同盟の強化がぁ」と、まるで世界が未だ東西冷戦構造時代にあるように言う人もおられましょう。

ですが、今や冷戦構造が崩壊して30年近くなります。

米国は既に覇権の力を失っています。

例えば先日も、大統領が派遣を命じた空母カールビンソンは、まったく違う海域を航行していました。

頼みの米国様は、もはやその程度なのです。

今や、日米同盟の強化で日本の安全保障を確保しようという考え方そのものが、お花畑なのです。

一帯一路、AIIB、半島の脅威、覇権国(同盟国)の退潮…

今、我が国が為すべきことは…