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議会報告 政治・経済

幻聴に効く薬2017/05/18    

自民党税制調査会の最高顧問である野田毅衆議院議員らが、アベノミクスに警鐘を鳴らすために、財政再建にむけた勉強会を発足させたとのことです。

なんでも野田氏の耳には「財政破綻の足音が聞こえてる」のだそうです。

『自民・野田毅氏ら、財政再建へ勉強会発足
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS16H5U_W7A510C1PP8000/

自民党税制調査会の野田毅最高顧問ら有志議員が16日、財政再建に向けた勉強会を発足させた。勉強会を通じて安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」に警鐘を鳴らすのが目的。野田氏が代表発起人を務め、中谷元・前防衛相や野田聖子元総務会長が呼びかけ人となった。野田毅氏は「財政破綻の足音が聞こえてきており、このまま放置するわけにはいかない。財源の裏付けがないまま、惰性に流されるのはあまりにも無責任だ」と語った。(後略)』

野田氏ら反アベノミクス派は、まるでアベノミクスが野放図に財政支出を拡大しているかように批判していますが、話しは全く逆で、現実のアベノミクスは極めて緊縮財政路線です。

上のグラフのとおり、第2次安倍政権が発足した2012年12月以降、政府のプライマリー・バランスの赤字が急激に減らされています。

これを緊縮財政と言わずして、いったい何と言うのでしょうか。

それに安倍政権が財政支出を拡大しないからこそ、日本経済は長きにわたってデフレに苦しんでいるのです。

デフレとは、需要(名目GDP)の継続的な不足によって貨幣の価値が高まる現象です。

リフレ派風に言うと「貨幣の量が不足している状態」です。

ただし、ここで言う貨幣量とはアクティブマネー(名目GDP)のことです。(マネタリーベースの拡大をもって貨幣量の拡大としているリフレ派は間違い)

デフレ期に、その貨幣量を増やすことができるのは政府による支出だけです。

政府収支の黒字化は実体経済から通貨を吸い取ることになり、逆に政府収支の赤字化は実体経済に通貨を供給することになります。

財政支出によって実体経済に通貨が供給されると、通貨の価値が下がりますのでデフレ脱却につながります。

その政府が、財政の支出を拡大するどころか逆に引き締めているわけですから、おカネの価値が下がろうはずもありません。

即ちデフレが深化します。

デフレが深化すると税収が増えませんので、債務対GDP比率の低下という財政の健全化が進みません。

いつも言うように、日本の財政再建(債務対GDP比率の改善)が進まないのはデフレが原因なのです。

本気で財政再建がしたいのなら、何よりもデフレを払拭することです。

下のグラフは、我が国の10年物国債の金利推移です。

財政破綻が叫ばれている国の借用証書が、このように低い金利で購入できるのはなぜでしょうか。

自国通貨建てで国債を発行している日本政府がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性がゼロだからです。

本当に日本政府がデフォルトすると考えているのであれば、CDS(Credit default swap)市場で、日本国債が破綻するほうに掛けてみろ!

絶対に大損します。

現にこれまで米国では、金融デリバティブ市場で「日本の財政破綻」に掛けたものの、一向に日本政府のデフォルトは起こらず、むしろ自分自身が破綻してしまい自殺するに至った投資家が少なくないと仄聞しています。

1990年以前のバブル経済のころの日本の国債金利(10年物)はおよそ7%でした。

あの時分、日本の財政破綻を言う人など存在しませんでした。

今や10年物国債金利は、0.047%(昨日)です。

以上のことから、日本政府の破綻(デフォルト)リスクは限りなくゼロです。

悪いことは言わない。

野田毅氏は、すぐにでも耳鼻科に行ったほうがいい。

でも果たして、つける薬があるかどうか。