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議会報告 政治・経済

南雲忠一と日銀幹部2017/05/17    

昨日、耳を疑うようなニュースがありました。

安倍総理が「一定条件が整えば日本のAIIB参加もありえる」と発言されたようです。

『安倍晋三首相 AIIB参加「疑問解消されれば前向きに考える」 米との連携強調
http://www.sankei.com/politics/news/170516/plt1705160004-n1.html

安倍晋三首相は15日、BSジャパンなどのインタビューで、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加について「公正なガバナンスが確立できるのかなどの疑問点が解消されれば前向きに考える」と述べた。(後略)』

総理は同時に「米国とも連携する」とも発言されているようですが、米国がAIIBに参加することなどありえないので、私にはよくわからない発言です。

AIIBは、ユーラシア大陸、東シナ海、南シナ海から米国の力を排除することを目的とした北京政府の地政学戦略(一路一帯構想)を金融的に支えるものです。

なので、このAIIBは金融問題であると同時に安全保障問題でもあります。

それに米国が参加することなど絶対にありえない。

TPPであれ何であれ、国際的な枠組みにはすべて参加しなければいけない、とでも総理は考えておられるのでしょうか。

ここまでくると、根本的な政治センスを疑います。

さて本日も、国内の経済問題について取り上げさせて頂きます。

黒田総裁が「物価2%にむけて追加的な措置を講じることは常に可能」と豪語されています。

物価2%へ追加措置、「常に可能」 円滑な出口を確信=日銀総裁
http://jp.reuters.com/article/boj-kuroda-idJPKCN18C0P4

黒田東彦日銀総裁は16日、都内で行われた対談で、大規模な金融緩和を縮小する出口戦略について、十分な手段を有しており、うまく対応できると確信していると語った。ただ、現在は出口を模索する状況にはないとし、物価2%目標の実現に向けて追加的な措置を講じることも常に可能との認識を示した。(後略)』

だったらすぐにやってくれよ、と突っ込みを入れたくなります。

2013年3月、黒田日銀総裁は「量的緩和によって、2年後のインフレ率(コアCPI)を2%まで押し上げる」というコミットメントを発表しました。

確か、副総裁の岩田規久男氏は「それを達成できなかったら辞職する」ともコミットメントされていました。

では、そのコアCPI(生鮮食品を除く総合消費者物価指数)の推移をみてみましょう。

上のグラフをみますと、2014年の4月から1年間だけ上昇しているのは、消費税増税(5%→8%)分の影響です。

それは黒田日銀による量的緩和とは全く関係なく、消費税増税で強制的に物価が引き上げられただけの話しです。

私は「コミットメントとは責任を伴う約束である」と認識しているのですが、岩田副総裁は未だ副総裁です。

まるで、自らの稚拙が原因でミッドウェー海戦で惨敗したのにその後も責任をとらず平然と司令官でいつづけた南雲忠一みたいだ。

インフレ率を上昇させる手段は財政出動以外にないことは、もはや明白なのに…

今や日銀に効果的な措置がないことを、本当は自分たちも薄々感づいているのにそれでも「まだ負けていない」と言い張る。

この点でも、大戦末期の軍人官僚と似ています。

迷惑なのは前線で戦う将兵と国民です。

インフレ率が上がらないということは、「モノやサービスを購入するためのおカネ」の価値が下がらないということです。

「モノやサービスを購入するためのおカネ」の価値を下げるには、「モノやサービスを購入するためのおカネ」の量を増やせばいい。

残念ながら、日銀が量的緩和で増やすことができるのは、民間銀行の日銀当座預金だけです。

「モノやサービスを購入するためのおカネ」のことを「総需要」と言います。

あるいは「名目GDP」とも言いますし、専門用語では「アクティブマネー」とも言います。

この「アクティブマネー」を増やす、という効果的な措置を講じることができるのは政府による財政出動だけであって、日銀による量的緩和ではありません。

そして、その財政出動を阻んでいるのが財務省であり、似非財政破綻論に基づく緊縮財政路線を振りかざしている政治家、学者、マスコミたちです。

今や緊縮財政路線こそが国民経済の大敵です。