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議会報告 川崎市政

憲政史上、もっとも貨幣乗数を下げた内閣2017/05/16    

よく「日本の財政が国際的な信認を失ったら国債が暴落して破綻する」と豪語する人たちがおられます。

財政出動を嫌う、いわゆるネオリベラリズム派の人たちの主張ですね。

もしくは、その思想に誤魔化されている人たちの主張です。

まず突っ込みたいのは、「国際的な信認」って何?

何をもって「信認を得た」ことになるのでしょうか?

それに国際社会とは、具体的にどのような人たちが対象なのでしょうか?

まぁ100歩譲って、ここでは一応「国債市場参加による日本国債に対する信用度」とでもしておきましょう。

といっても、日本の国債は、そのほとんどが国内消化されていますので、国際的信認とは関係がありません。

そうすると今度は、「国内消化って言っても、今はまだ国内の個人金融資産が1,700兆円もあるからいいけれど、これを取り崩したらやがて破綻するぅ」と、きっと言うことでしょう。

どこまで自虐的なのか。

そもそも日本の国債は、その100%が自国通貨建てで発行されておりますので、国債を発行するにあたって個人金融資産の制約を受けていません。

事実、政府が国債を発行したとき、民間金融機関が日本銀行にもっている当座預金から、政府が日本銀行にもっている当座預金におカネが移動しているだけです。

別に政府は、個人の預金からおカネを拝借しているわけではありません。

政府の国債発行は、けっして国民の預貯金を食いつぶしているのではなく、むしろその逆で、政府が負債を増やすとそれがまわりまわって個人金融資産として蓄積されていきます。

なので、政府の負債と家計の金融資産の関係は下のグラフのとおりになります。

今はただ、安倍政権による緊縮財政によって、民間銀行の日銀当座預金におカネが溜まっていくばかりで、そのことのほうが大問題なのです。

世の中に出回っている現金紙幣及び現金硬貨と、民間金融機関が日銀にもっている当座預金残高を合計したものをマネタリーベースといいます。

マネタリーベースのほとんどは日銀当座預金で、現金紙幣は約100兆円程度、現金硬貨は約5兆円程度しかありません。

そのマネタリーベースの推移をみますと、下のグラフのとおりです。

ところが、銀行の貸出は増えていないのです。

政府と銀行(中央銀行及び民間銀行)の保有する現預金を除いたすべての現預金の合計をマネーストックといいます。

金融緩和によって、どんなに民間銀行の日銀当座預金におカネを積み上げたところで、銀行の貸出が増えなければ何の意味もありません。

それを示す指標の一つが貨幣乗数です。

貨幣乗数 マネーストック ÷ マネタリーベース  

2017年4月現在の貨幣乗数は2.1です。

これって、あの超デフレで苦しんだフランクリン・ルーズベルト時代の米国よりも低い数字です。

第二次安倍政権発足以前の貨幣乗数は7.0以上もあったのに…

安倍内閣は日本の憲政史上、もっとも貨幣乗数を下げた政権ではないでしょうか。

貨幣乗数が増えないと絶対にデフレは脱却できません。

そしてデフレを脱却しないかぎり、けっして財政再建を達成することもできません。

デフレの今、貨幣乗数を上げることのできる経済主体は、地方自治体を含めた政府だけです。

このブログの結論はいつも同じで恐縮です。

政府及び地方自治体は、早急にデフレ脱却のための財政出動を行うべし。