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議会報告 政治・経済

脱グローバリズムの流れは止まらない2017/05/08    

フランスの大統領選は、親欧州連合(親グローバリズム)のエマニュエル・マクロン候補の圧勝で終わりました。

ルペン氏の率いる国民戦線は、メディアからポピュリズム(大衆迎合主義)だの移民排斥の極右だのというレッテルを貼られての選挙戦でしたので、かなり「分の悪い」戦いになることは想像に難くありませんでしたが、事前の予想どおり、だいぶ棄権票が多かったようです。

一部メディアは、まるでルペン氏がフランス社会の分断を煽っているかのように報道していましたが、なにを言っているのでしょうか。

社会を分断しているのはルペン氏ではなく、グローバリズム(EU)です。

いつも言うように、グローバリズムとは、カネ、モノ、ヒトの国境を越えた移動を自由化することです。

これを推し進めて行くと、必ず「勝ち組」と「負け組」に社会が分断されていくことになります。

スティグリッツ教授の言うところの…「1% vs 99%」です。

例えば、国と国、企業と企業、国民と国民のそれぞれのコミュニティに跨って「勝ち組」と「負け組」とに隔てていきます。

そして何よりも、国民を「所得階層別」に分断していくことによる社会の分断はまことに深刻な問題で、国民の統合(ナショナリズム)を容赦なく破壊します。

今回のフランス大統領選挙でも、高齢者や中流及び上流階層がマクロン、フィヨン両氏を支持して、若者や労働者階層がルペン氏や急進左派のメランション氏を支持したようです。

幸運にも生産年齢人口(15~64歳人口)の減少によって失業率が改善している我が国では理解しづらいのかもしれませんが、グローバリズムを推し進めてきたEU(ユーロ・グローバリズム)における若年層失業率は下のグラフのとおり凄まじい数字です。

容赦のない移民(低賃金労働者)の流入でフランス国民の雇用は奪われつづけ、大学や大学院を卒業しても職にありつけず生活保護を受給しなければならない国民も少なくないのです。

といってルペン氏は「移民を排斥せよ」とは言っていないはずで、あくまでもフランス国民の主権に基づいて「流入制限しよう!」と言っているに過ぎないのです。

フランス国民の主権を奪っているのが、まさにユーロ・グローバリズムという国際協定です。

なのでルペン氏は「マクロン候補はユーロ・グローバリズムの手先じゃないかっ」と言っていたのです。(ルペン氏がそのあたりをどのようにして有権者に訴えてきたのかは解りませんが…)

くどいようですが、ブレグジット、トランプ米大統領、ルペン候補を生んだのはグローバリズムであって、けっしてトランプ氏やルペン氏が世を分断しているのではありません。

歴史的にみても、イギリスを覇権国とした前回のグローバリズム(1820~1919)もそうで、現在同様に各国の国民統合が分断され、一部の国々では「革命」が起きています。

こうした国民統合の破壊は、最終的には第一次世界大戦の勃発をまねくことになりました。

皮肉にも、第一次世界大戦という「戦争」がその分断された欧州各国の国民をそれぞれに再統合するに至ったのです。

ルペン氏は大統領選では敗北したものの、次に予定されている議会選挙においてはルペン氏率いる国民戦線が躍進するのは必至です。

よって、マクロン新政権が少数与党になる可能性も十分にあります。

世界的にみると「グローバリズムの終わりのはじまり」が既にはじまっているのは明らかです。

今回のルペン氏の敗北は、その流れを止めるものではなく、その流れのスピードを若干和らげただけのことかと思われます。