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議会報告 政治・経済

経営と経済2017/05/06    

先月、財務大臣の諮問機関である『財政制度等審議会』の会長に、経団連会長の榊原定征氏が選任されました。

榊原氏は記者会見で、「消費税率10%への引き上げは絶対に必要」とした上で、「2020年度の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化目標を堅持する」考えを強く表明しています…

私は、このあまりにも無知極まりない氏の決意を聴いて愕然としました。

改めて「経営」と「経済」は全く異なる概念であることを痛感します。

榊原氏は経団連の会長に昇りつめるほどの人物でおられるので、それはさぞご立派な経営者なのでしょう。

しかし、経営者として立派だからといって、経済について正しい知識と認識をもっておられるのかどうかはまったく別の話しです。

「経済」の語源は、経世済民です。

経世済民 = ポリティカル・エコノミー、です。

であるのなら、私も政治家の端くれとして、経済については榊原氏よりは専門家であるという自負があります。

自負というか自信をもって断言しますが、デフレ下での財政再建など絶対に不可能です。

よく言われていますように、我が国の政府債務対GDP比率(政府債務 / 名目GDP)は世界で最も悪い水準です。

しかし、よくよく考えてみれば、それもそのはずです。

なぜなら、デフレによって分母の名目GDPが大きくならず、また、デフレによって税収が増えないために分子の政府債務が小さくならないからです。

デフレ下の財政再建が不可能なのはそのためです。

しかもそのうえ、消費税をさらに増税してしまったら、余計に需要が落ち込んでしまい、デフレが深刻化するだけです。

よって、消費税の増税でプライマリー・バランスを黒字化させようと考えること自体がド素人です。

むしろ今は、プライマリー・バランス目標を一旦凍結し、政府が財政出動することでデフレを脱却し、名目GDPの拡大 → 税収増 → 政府債務対GDP比率の低下を目指すべきです。

それこそがまさに財政再建です。

下のグラフをご覧ください。

GDPの名目成長率と翌年のプライマリー・バランスは、ほぼ相関します。

即ち、プライマリー・バランスを改善したかったら、名目成長率を引き上げることです。

それを「デフレ脱却」及び「財政再建」と言います。

詰まるところ、榊原氏は財政再建の意味も、デフレの意味もよく理解されていないのです。

経営と経済は違うのです。