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議会報告 川崎市政

閑散とする日本経済2017/05/05    

デフレは、国民経済を貧困化させます。

国民経済における経済主体は、政府、家計、企業(金融機関やNPOを含む)、海外の4つに分類されますが、その1つである家計の貯蓄率の推移をみますと惨憺たる結果です。

1998年に日本経済がデフレに突入して以降、家計の貯蓄率の推移は下のグラフのとおりです。

家計貯蓄率は、家計可処分所得から消費支出されずに家計貯蓄に回された額の比率のことです。

ストック面では約1,700兆円もの金融資産をもつ我が国の家計ですが、フロー面では年々縮小してきたのです。

下グラフのとおり、実質賃金が下がり続けている以上、家計部門は貯蓄も消費も縮小せざるをえません。

誤解されている方も多いのですが、日本がデフレに突入したのは、いわゆるバブル経済が崩壊してからのことではありません。

グラフをみて頂けるとお解りのように、1990年から1997年までの間、即ちバブル経済が崩壊して以降も実質賃金は着実に増えています。

我が国の経済がデフレに突入したのは、1997年に橋本内閣が消費税を増税(3%→5%)して緊縮財政をはじめてからのことで、翌年の1998年がデフレ元年です。

以来、20年間も我が国はデフレです。

デフレとは需要の不足現象ですので、政府、家計、企業、海外のいずれかの経済主体が、その不足する需要を埋めないかぎり脱却することはできません。

しかし、輸出(海外部門)による需要拡大で需要不足を埋めようとすれば貿易摩擦が生じます。

設備投資したところで需要のないデフレ状況下では、企業部門がおカネを使うはずもありません。

実質賃金が下がりつづけて消費支出と貯蓄率を減らしている家計部門に期待することも困難です。

よって、残された経済主体は、政府部門(地方行政も含む)しかありません。

その政府が、未だプライマリー・バランス(基礎的財政収支)とやらに拘って、支出を抑制しています。

そうした中、一昨日の日本経済新聞の記事です。

『国債、値つかず1日半 長期金利「ゼロ」市場機能マヒ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF02H0L_S7A500C1EA2000/

住宅ローン金利などの目安となる10年物の長期国債の売買が急減し、2日午後までおよそ1日半にわたって値段がつかない珍事が起きた。日銀による大量の国債買い入れで売買可能な国債が減っていたところに、大型連休で参加者が取引を手控えたためだ。(後略)』

記事は、5月2日の午後まで1日半にわたって値がつかず国債市場が閑散としている、というものです。

GWで取引を手控えていることもあるのでしょうが、閑散としている原因は主として「市場の国債が枯渇していること」かと思われます。

グラフのとおり、量的緩和(国債購入)を進めている日本銀行の国債保有が、既に民間銀行のそれを上回っているわけです。

民間銀行は貴重な手持ち国債をこれ以上減らしたくないのですから、市場取引が閑散としても当然でしょう。

とすると、そろそろ日本銀行による量的緩和の強制終了が近づいているのかもしれません。

なぜ、このようなことになっているのか?

政府が頑なに財政出動(国債の発行)をしないからです。

もしもこのまま量的緩和が事実上の終了を迎えてしまったとするなら、急激に円高が進んで株安になることはもちろん、国民経済はさらなるデフレ化に突入することになるでしょう。

さらなるデフレ化は、むろんさらなる国民の貧困化をもたらします。

よって政府及び地方行政は、まずはプライマリー・バランスを一旦は凍結し、需要不足を埋めるための財政出動を行うべきです。

財政出動の対象は、防災対策を含めた各種のインフラ整備、あるいは未来のための技術開発投資、そして人手不足等により既にインフレ・ギャップ状態になっている医療や福祉部門への投資拡大です。