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議会報告 政治・経済

外国の軍隊を自国に受け入れる法的根拠2017/04/30    

フランス海軍の揚陸艦がイギリス軍の部隊約60人とヘリコプター2機を同乗させて、海上自衛隊の佐世保基地に入港したとのことです。

『仏強襲揚陸艦が佐世保入港…日米英と共同訓練へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170429-OYT1T50079.html

フランス海軍の訓練部隊を乗せた強襲揚陸艦「ミストラル」が29日、海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)に入港した。(後略)』

このあと、日本、イギリス、アメリカの部隊を乗せて、4カ国で共同訓練をしながら米領グアムへ向かうのだとか。

目的は、4カ国で北京や平壌を牽制することのようです。

さて…「日仏安全保障条約」など締結されていないのに、あるいは「日英安全保障条約」など締結されていないのに、どうしてイギリス軍を載せたフランス海軍の艦艇が日本の基地に入港できるのか?

そして、どのような法的根拠で米軍以外の外国軍隊が日本の基地に来訪しているのか?

これらは絶対に学校では教えてくれないことですし、国民世論に重要な影響を与えるマスコミですらも取り上げないところです。

しかし主権国家(独立国家)の国民として、私たちは知っておくべき政治知識かと思います。

戦後日本では、長きにわたって在日米軍が駐留してきたこともあって、外国の軍隊が自国に駐留していることに対して抱くべき国民的違和感をほぼ喪失してしまっているような気がします。

そこで改めて、外国の軍隊が自国に駐留したり来訪したりすることの意味と法的根拠を確認しておきたいと思います。

今回、フランス海軍の揚陸艦が入港した佐世保は海上自衛隊の基地であるとともに在日米軍の基地でもあり、さらには国連軍の基地にもなっています。

以前にも申し上げましたとおり、在日米軍基地のうち、佐世保、横田、横須賀、座間、嘉手納、普天間、ホワイトビーチ、の7つ基地が国連軍基地に指定されており、ときおり国連旗を掲げた艦艇や航空機が来訪しています。

これら日本国内にある国連軍基地は、1954年に日本、アメリカ、イギリス、フランスなど10カ国によって調印された「国連軍地位協定」に基づいています。

ではなぜ、国連軍地位協定が締結されるに至ったのか。

話しは67年前の「朝鮮戦争」に遡ります。

ご承知のとおり、1950年から3年間にわたり戦われた朝鮮戦争は、現在に至ってもなお休戦中です。

意外と誤解されていますが、朝鮮戦争は…
北朝鮮・中共軍・ロシア軍(空軍のみ) VS 韓国・米軍
ではありません。
北朝鮮・中共軍・ロシア軍(空軍のみ) VS 朝鮮国連軍
の戦いです。

なので休戦が破られると、当時(1950年代)の国連決議や国連軍参戦16カ国共同政策宣言が引き続き有効となって、朝鮮国連軍が再結集されて戦うことになっています。

その休戦状態を監視するために、韓国の龍山(よんさん)に国連軍司令部が置かれ、先述のとおり国連軍地位協定に基づいて日本国内に7つの国連軍基地が置かれ、そのうち横田が国連軍後方司令部になっています。

朝鮮有事の際には韓国内の米韓基地は脆弱になりますので、米韓両軍を含めた国連軍にとって日本国内の7つの基地は極めて重要な意味を持つことになります。

北朝鮮は1991年に国連に加盟して以来、この国連軍司令部の解体を安保理事会に幾度となく求めています。

むろん却下され続けています。

北朝鮮が核や弾道ミサイルの開発を断念し、または過大な軍備を削減しないかぎり、安保理が応じることは絶対にないでしょう。

・・・・・結 論・・・・・

要するに、イギリス軍部隊を載せたフランス海軍の強襲揚陸艦は、国連軍地位協定に基づいて国連軍として我が国の基地に入港しているわけです。

そして我が国もまた国連軍の一員としてフランス海軍の艦艇を入港させたというわけです。

因みに、これらの措置は、決して「集団的自衛権」の行使ではありません。

「集団安全保障」への参加という責務の遂行です。

以上のことは実に細かい話しかもしれませんが、軍事を論じるということは同時に平和を論じることであると私は確信しております。