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議会報告 政治・経済

「デフレは需要不足」こそが科学2017/04/21    

政治家の端くれとして常に思うことは、政策は科学で論じられるべきだ、ということです。

科学の定義は、再現性です。

(一定の条件下で)こうやったら必ずこうなる、というのが再現性です。

例えば、安倍総理は「デフレは貨幣現象である」と、2013年5月に国会で答弁されています。

つまり、総理によれば「貨幣の量を調整すればデフレは解消される」という理論でした。

アベノミクス以降、日本銀行が市中銀行から国債を購入することでマネタリーベースという貨幣を増やしてきたのは、そのためです。

上のグラフのとおり、2017年3月時点で447兆円にまで貨幣量(マネタリーベース)は増えました。

ところが、です。

下のグラフのとおり、消費者物価指数(コアCPI)は2017年2月時点でわずか0.2%であり、まことに惨憺たる結果です。

それでも昨年の12月以降に上昇しているようにみえるのは、下のグラフのとおり、原油というエネルギー価格が上昇していたからだと推察します。

日銀が指標としているコアCPIは生鮮食品を除く総合物価指数ですので、原油などのエネルギー価格が含まれます。

なので原油が上昇すると、デフレ脱却とは無関係にコアCPIも上昇してしまうのです。

因みに、酒類を除く食料、及びエネルギーを除いた総合物価(コアコアCPIみますと、2017年2月は-0.1です。

これだけ貨幣量を増やしてきたのに、マイナスですよマイナス!

要するに何が言いたいのかと申しますと、「デフレは貨幣現象」というリフレ派理論が科学ではなかった、ということです。

彼らの言う「デフレは貨幣現象」という定義が、そもそも間違っていたのです。

腹の立つことに、そのことが国民生活の犠牲のうえに証明されたわけです。

国民の実質賃金の推移をみますと、下のグラフのとおりです。

デフレの本質は、物価下落ではなく所得(実質賃金)の縮小です。

当然のことながら、所得が縮小すると実質消費支出も縮小します。

なので余計にデフレ化(物価と所得の相乗的縮小)するわけです。

こうした現実を無視して、それでも政府は「一部に改善の遅れがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」と言い張ろうとする始末です。

『景気の基調判断維持、「緩やかな回復基調」=4月月例経済報告
http://jp.reuters.com/article/getsurei-april-idJPKBN17M0XE

政府は4月の月例経済報告で、景気は「一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との判断を据え置いた。個人消費、設備投資ともに「持ち直しの動き」との判断を維持。(後略)』

デフレは貨幣現象ではありません。

…需要不足です。

そしてデフレ下に需要不足を埋めることができるのは、国や自治体などの公共部門だけです。

そこで必ずでる批判が「財政論」です。

安心してください。

政府負債が増えている要因は、デフレが続いているためです。

デフレを脱却すれば、政府負債は縮小していきます。

先のG20サンクトペテルブルク・サミット首脳宣言でも、政府負債対GDP比率の低下こそが財政再建である、とされています。

分母のGDPが増えない犯人こそが、まさにデフレなのです。