〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

為替操作国認定2017/04/16    

昨日(4月15日)は、北朝鮮による核実験及びミサイル発射は見送られたようです。

まずは第一の山場を超えましたが、危機はまだまだ続きます。

さて現在、日本銀行は量的緩和を継続しています。

量的緩和とは、民間の金融機関が保有してる国債(政府の借用証書)を日銀が購入することにより日本円を発行することです。(日本円が量的に増えているから量的緩和といいます)

その目的は「デフレの脱却」ということになっていますが、発行された日本円を政府が借りて使わないためにデフレ脱却には至っておらず、単なる円安誘導になっています。

市場理論からすると、円の増量は円の価値の下落になりますので、為替市場では円が売られることになります。

円が売られるから円安になります。

円安になると、日本の輸出産業の利益が上がります。

例えば1ドル100円のときの利益が100億円だとすると、1ドル120円のときの利益は120億円になります。(販売量は同じでも利益は増える)

なので米国から「日本は為替を操作して不当な利益を稼いでいる」と言われているわけです。

一方、対米貿易黒字を拡大し経済を成長させてきた中国は、中央銀行が直接的にドルを為替市場で購入してきました。

即ち、人民元を売ってドルを買うことで人民元安を誘導してきたわけです。

経常収支が黒字化すると、その国の為替は市場原理によって上昇し調整されるようになっているのですが、中国は為替介入によって安い人民元を維持してきたのです。

ブッシュ及びオバマ政権時代の米国は、それを放置してきました。

中国の外貨準備(ドル保有)が拡大してきたのはそのためです。

しかし、上のグラフのとおり2014年をピークに中国の外貨準備高は減りはじめています。

中国景気が後退局面に入ったために、今度は人民元を買い支えているからに他なりません。

中国当局が日本での爆買いや両替を規制しはじめたのは、これ以上の人民元安を阻止するためで、今や中国が人民元を買い支えているのは明らかなのです。

昨日のエントリーでも多少触れましたが、米国が中国を為替操作国として認定しない理由の大部分は、既に中国が人民元を買い支える局面に入っているからでしょう。

それを北朝鮮危機というこの時期に明らかにするところが、まさに国際政治です。

『米財務省:中国の為替操作国認定見送り、日本の監視継続-為替報告書
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-15/OOFC3R6KLVR501

米財務省は14日公表した半期に一度の外国為替報告書で、中国を為替操作国として認定することを見送ったが、同国に対して人民元が市場原理に従って上昇することを容認するよう求めたほか、貿易のさらなる開放も要請した。為替操作国として認定した主要貿易相手国・地域はなかったが、同省は「監視リスト」に前回と同じく中国と韓国、日本、台湾、ドイツ、スイスの6カ国・地域を指定した。為替報告書の発表はトランプ政権下で初めて。(後略)』

引きつづき日本の監視は継続…となっているのは、これから日米で行われる二国間の経済協議において、米国が交渉を有利にもっていくための一つのカードかと思われます。

因みに、日本銀行は今、年間80兆円のペースで民間銀行から国債を購入していますが、今や市場の国債は枯渇しており、量的緩和のデッドラインが近づいています。

そこで日本銀行は、やむをえず民間銀行の保有する外債を購入対象にすることも検討したようです。

しかし日本銀行が民間銀行の外債を購入するにあたっては、まず為替市場でドルを買い、それをもって購入しなければなりません。

それをやると、むろん米国から「日本は為替操作国だ」と言われます。

詰まるところ、安倍政権による緊縮財政路線そのものが悪の元凶です。