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議会報告 政治・経済

我が国のミサイル防衛の現実2017/04/11    

先日の米国によるシリアへの空爆は「北京政府が北朝鮮の核開発阻止に協力しなければ、米国が独自に行動する用意がある」というトランプ大統領の習近平国家主席への警告だったと報道されています。

それに対し北朝鮮外務省は8日の談話で「一部にはシリアに対する米国の軍事攻撃が我々に対する警告的行動であると騒いでいるが、そんなことに驚く我々ではない」と米国の威嚇を一蹴しました。

更に11日未明にも「米国は破局的な結果の全責任を負うことになる」と、北朝鮮はなお強気な姿勢です。

『北朝鮮 米空母の朝鮮半島近くへの派遣を非難
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170411/k10010944061000.html

北朝鮮は、アメリカ軍の原子力空母が朝鮮半島に近い西太平洋に派遣されたことを強く非難する談話を発表し、「アメリカは横暴な行為が招く破局的な結果の全責任を負うことになる」と威嚇しました。(後略)』

仮に、北朝鮮が核実験もしくはミサイル発射に踏み切り、米国がそれに対する軍事制裁を行ったとします。

その場合、北朝鮮が更なる報復措置にでて反撃する可能性も否定できません。

となると、どこに反撃報復するのか。

むろん、日本国内のどこかでしょう。

といって、米軍及び在日米軍基地に攻撃を加えると北朝鮮は一瞬にして消えてしまうことになりますので、米軍及び在日米軍基地以外の日本のどこかということになりましょうか。

さてそこで、私ども日本国民は我が国のミサイル防衛の限界を知っておかねばなりません。

現在、日本に向けて発射されるミサイル攻撃に対しては、まず海上に配備されているイージス艦搭載のSM-3で迎撃。

それが外れた場合、今度は地上に配備されているPAC-3が迎撃することになります。

このように2段階での迎撃態勢をとっています。

SM-3もPAC-3もともに射程距離が異なりますが、最大の問題はこれらの迎撃ミサイルは「待ち撃ち」しかできないことです。

相手国から迎撃地に(自分に)向かって飛来してくるミサイルに対しては命中度は高い。

しかし、迎撃地以外(自分以外)の他方へ向かって飛んでいくミサイルを追いかけて撃ち落とすことはできません。

なので確実に迎撃するためには、海上に浮かべるイージス艦の数を大幅に増やし、我が国の海岸線全域にPAC-3を配備するしかないのです。

むろん、そんなことは現実的には不可能です。

よってPAC-3は現在、首都周辺や在日米軍基地などの重要地点にのみ集中配備されています。

これが現実です。

そこで日本でもトマホークのような艦艇搭載の非核巡航ミサイルによる敵地攻撃を可能にしてはどうか、という議論が為されてきたわけです。

ですが、その良し悪しは別として、ご承知のとおり具現性はゼロです。

なんといっても我が国は戦後一貫して、占領憲法のもとに「専守防衛」に徹すことが防衛政策の基本になっているからです。

そもそも「専守防衛」なんて軍事的に成り立ちようがないことはもはや明白なのに…

それでも、これまで何とかやってこられたのは、冷戦構造及び米国による一極秩序が機能していたからに他なりません。

というより、占領憲法第9条第2項により我が国には交戦権がありません。

交戦権を有しない国が、どのようにしてミサイルの迎撃などを含め「専守防衛」に徹することができるのでしょうか。

交戦権がないのなら、集団的自衛権どころか個別的自衛権すら行使できないはずであろうに。