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議会報告 政治・経済

追い詰められているのは習近平!?2017/04/07    

朝鮮半島情勢は、北朝鮮の強気な核開発及びミサイル開発によって緊張が高まっています。

そうした中での米中首脳会談。

会談を前にトランプ米大統領は「北朝鮮問題のみならず、米国が不公平な扱いを受けてきた経済問題も織り交ぜての話し合いだ」と述べていました。

更にトランプ氏は「(北朝鮮問題について)中国の協力が得られない場合は米国単独で対処する用意がある」との考えを示した一方、「中国は(圧力を)強化するだろう」と述べていました。

これらトランプ氏の発言から推測するに、「朝鮮半島についての関心は極めて稀薄」というのがトランプ氏の本音ではないでしょうか。

マスコミは、米中両国が北朝鮮の挑発抑止に向け一致した対応を打ち出せるかどうかが焦点、と報道していますが、会談の本質は「なんとか米国がうまく対応してよ」と、習近平氏のトランプ氏に対する一方的なお願いになっている可能性もあります。

その点、追い詰められているのは金正恩ではなく習近平です。

北京政府は今、太子党と江沢民派の対立する微妙なバランスの上にあります。

序列第3位の張徳江氏ら江沢民派は北朝鮮に国境を接する吉林省や遼寧省を政治的にも軍事的にも抑え、金正恩(北朝鮮)と通じています。

よって、太子党の習近平氏が北朝鮮に対して経済・軍事両面での制裁を加えることはほぼ不可能でしょう。

そこが金正恩(平壌)の強みです。

なのでトランプ氏から「あんたがもっと強気な姿勢をみせろよ」と言われて困るのは習近平氏なわけです。

さてそこで、我が国の朝鮮半島に対する国際的・法的・軍事的関係を確認しておきたいと思います。

まず前提として、朝鮮半島は1950年から3年間にわたって行われた朝鮮戦争の「休戦」状態にあるということです。

未だ終戦も講和の措置もとられていません。

誤解されていますが、朝鮮戦争は決して…
北朝鮮・シナ・ソ連(空軍だけ) vs  韓国・米国
の戦いではなく…
北朝鮮・シナ・ソ連(空軍だけ) vs  国連軍
の戦いです。

当時、米国は国連の決議を得て朝鮮国連軍を編成して戦ったのです。

なので、休戦が破られた場合、1950年代当時の国連決議や、国連軍参戦16カ国共同政策宣言が引き続き有効となって、休戦時に再結集を約束した朝鮮国連軍参加国の多くが参戦することになります。

我が国はこの16カ国には入っておらず、その後に国連に加盟したことにより、現在は国連加盟国として国連軍に国内の基地を提供しています。

国内にある在日米軍基地のうち、横田、座間、横須賀、佐世保、ホワイトビーチ、嘉手納、普天間、の7つの基地が国連軍基地になっているのはそのためです。

この7つの国連軍基地は、1954年に日米英仏など10カ国によって調印された『国連軍地位協定』に基づくもので、時おり、これらの基地には国連旗を掲げた米軍以外の艦艇や航空機が往来しています。

因みに、横田基地が広大な飛行場を有しているのは、紛争時に各国から集まる物資の集積と輸送拠点の役割を果たすためです。

そして朝鮮半島の休戦が守られているかどうかを監視するために、国連軍の司令部が韓国の龍山に置かれており、その後方司令部は横田に置かれています。

国連軍司令部及び後方司令部は、休戦が破られると同時に国連軍(多国籍軍)をその指揮下に入れて、いつでも戦闘ができるように準備しています。

この国連軍(多国籍軍)こそが、まさに集団安全保障の集団的措置(国連憲章が根拠)であって、「集団的自衛権」ではありません。

そもそも「集団安全保障」と「集団的自衛権」の違いを理解していない人は安全保障について語る資格なしです。

「集団安全保障」が国連加盟国の「責務の遂行」であるのに対し、「集団的自衛権」は各国のもつ「権利の行使」です。

責務と権利では大きな違いがあります。

我が国に巣食う親米属国保守の皆さんにはお気の毒ですが、米国にとって集団的自衛権は集団安全保障を補完する一手段に過ぎず、米国はあまり重視していません。

なので「集団的自衛権さえ強化していれば日本は安心だ」と考えるのは誠に愚かな発想です。

といって集団安全保障体制も今や危うくなっています。

集団安全保障は、あくまでも米国による世界の一極秩序体制が大前提です。

それは米国に世界の警察官としての能力と意志があってこそ機能するものです。

ご承知のとおり、トランプ米大統領は「もはや米国が世界の警察官である必要はない」と言って当選した大統領です。

というか、それ以前に、既に集団的自衛権どころか、集団安全保障さえもあてにならない不透明な時代に突入して久しい国際情勢なのです。

よって今後、朝鮮半島有事が発生した場合、米国は国連軍としては対応せず、米韓連合軍の一部として対応する可能性も十分にあります。

仮にそうであったとしても、米国が我が国に対して集団的自衛権の発動を要請することはまずありえないでしょう。

さて、我が国はいかにすべきか。

安全保障に対する国家の役割には次の3つの段階があります。
・・・・・
1)現秩序(集団安保体制)を維持する役割
2)現秩序では対応できない場合への即応対処の役割
3)次の体制にむけた準備定礎の役割

現在の我が国は、明らかに2)~3)の段階に入っています。

こうした深刻な事態を前に、大きな足かせになっているのは何といっても「占領憲法」であることに変わりはありません。