〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

重商主義2017/03/29    

昨日のエントリー『天才勘定奉行・荻原重秀』において、金属主義や表券主義という貨幣観について申し上げました。

実はこの金属主義という貨幣観こそが、いわゆる重商主義という経済思想をもたらしました。

重商主義は、貴金属の蓄積こそが国力の源泉である、という考え方です。

貨幣は金や銀という類いの貴金属なのだから、その貨幣を蓄積すればいい、となります。

では、どのように蓄積するのか?

輸出(貿易黒字)によって蓄積すればいい、ということです。

このように貴金属(貨幣)の蓄積を国力の源泉とする考え方にたつと、世界はたちまち、ある者が利益を得ると他の誰かがその分だけ不利益を被る、というゼロサム社会になります。

他国を犠牲にしてでも自国の富を増やす必要がある…

これが重商主義です。

因みに、織田信長の政策を重商主義とする歴史家がいますが、私にはあの信長が国力の源泉を貴金属の蓄積にあると考えていたとは思えません。

いわゆる主流派経済学は重商主義を批判しますが、彼らの思想的祖型である経済自由主義こそが金本位制に重きを置いていた歴史からみると、さして変わりはないのではないでしょうか。

去る3月27日の日本経済新聞に次のような記事がありました。

『景況感、2期連続改善へ 3月民間予測 輸出好調で
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF27H0L_X20C17A3EE8000/

QUICKは日銀が4月3日に公表する3月の全国企業短期経済観測調査(短観)について、民間の金融機関やシンクタンク12社の予測をまとめた。注目度が高い大企業製造業の景況感は2四半期連続で改善する見込みだ。世界経済の好調で輸出と生産が伸びているため。ただ米経済対策などの行方が不透明で、先行き懸念は拭えない。(後略)』

要約すると、「先行きは不透明だけど、とりあえず輸出が堅調みたいだからいいじゃん」という記事です。

もちろん輸出が伸びて悪いことはありません。

といって、だから良い、という問題でもないのです。

上のグラフのとおり、我が国は2014年4月の消費税増税(5%→8%)以降、さらにデフレ化し、内需(国内の投資や消費)はしぼみ続けています。

デフレによる国内需要の不足を、なんとか輸出で埋めようとする現状が、果たして健全な経済だといえるのでしょうか。

もしもそれで良し、とするのであれば重商主義と何が違うのか。