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議会報告 政治・経済

東芝をシャープの二の舞にするな2017/03/16    

東芝は、先月2月14日に発表するとしていた昨年4月~12月期の連結決算の発表を3月14日に先延ばししていましたが、更に延期されました。

『東芝、決算発表の再延期を発表 WH問題で追加調査
http://www.asahi.com/articles/ASK3G3FSHK3GULFA00C.html

東芝は14日、同日を期限に先送りしていた昨年4~12月期の決算発表を再び延期すると発表した。(後略)』

2017年3月末時点の自己資本は1,500億円のマイナスとなって、同月末時点での債務超過が確実視されています。

むろん巨額の損失を計上した主因は、米国ウェスティングハウスの原子力事業です。

東芝の決算発表が再三にわたり延期されている理由は、その原子力事業の会計処理をめぐって不適切な処理があったらしいこと、そしてその社内調査等に今しばらくの時間を要するということのようです。

延期された決算発表は4月11日が最終期限ですが、更にその日から8営業日(4月21日)を超えて提出できなかった場合、ついには上場廃止にまで追い込まれます。

大丈夫でしょうか。

東芝はお荷物子会社たるウェスティングハウスの株式の過半を売却することで何とか凌ぎたいようですが、果たして引き受け手(買い手)がみつかるのかは不透明です。

さて我が国では、この東芝問題を単なる一企業の経営問題として傍観し、今後は市場原理に基づいて整理されていけばいい、などと安易に考えている政治家がほとんどだと思います。

しかし、そもそも東芝によるウェスティングハウスの買収及び原子力事業の推進は、経済産業省や資源エネルギー庁なども絡んで進められてきた国策事業です。

東芝だけに責任をおっつけて政府は知らんぷり、というのはどうなのでしょう。

まず為政者が考えるべきことは、東芝のもつ技術を海外に流出させないことです。

それに、東芝に万一のことがあった場合、何十万人という膨大な雇用が失われ、多くの関連会社や取引会社の経営状況にも大きな影響を及ぼします。

あまつさえ、国策として進めてきた原子力事業に対する日本政府としての責任は極めて重いものがあります。

これらの観点から、ぜひとも政府におかれては、東芝に対して資本注入を含めた再建支援を行ってほしい。

いずれ東芝が再建したら政府保有株式を売却すればいい。

そのことで、まずは東芝の技術が海外に流出することを防ぐことができ、国内の雇用を守ることができます。

同じことを、米国政府は破綻に追い込まれたGM(ゼネラルモーターズ)に対して行っています。

それから、もしも東芝が危うくなると、我が国の半導体産業にも大きな痛手を与えることになります。

下のグラフのとおり、我が国の半導体産業の付加価値額は、既に韓国や台湾にすら負けているのです。(付加価値額とは、国・法人・事業体などの活動によって財貨・サービスへ付加された価額のことで原材料の仕入れ額を除いたもの)

このうえ更に、東芝までもが…と考えるとゾッとします。

なので絶対に東芝をシャープの二の舞にしてはならないと思います。

ご承知のとおり、シャープは鴻海に売却されました。

その際、日本政府は何の策も施さず、その技術を事実上シナに売り渡すことを許したわけです。

因みにそのシャープが、液晶テレビの国内生産から2018年に撤退する方針を明らかにしました。

シャープは三重県亀山市にある亀山工場と栃木県矢板市の栃木工場の2つの工場を合わせて数十万台を国内生産していましたが、それらが撤退するのです。

理由は生産設備の老朽化などが進み、シナなどの海外工場に比べて効率的に生産することができなくなってしまったとのことです。

2004年以降、多くの日本企業が海外に生産拠点を移した中、シャープだけは国内に投資して工場をつくり、そのことで日本国民の雇用を創出してくれた数少ない企業でした。

そのシャープを日本政府(日本国民も)は捨てたのです。

とはいえ「そんなこと言ったってぇ、国内で生産するとコスト面で勝てないじゃないかぁ~」と言うであろう、お○○さんもいることでしょう。

コスト面で勝てなくなったのは、先述のとおり生産設備が老朽化したからです。

であれば、再投資により最新鋭の設備を整えて単位労働コストを下げればいいだけの話しです。
※単位労働コストを下げる=人件費が高くとも、最新鋭設備で一人当たりの生産性を向上させればコスト単価は下がります。

シャープが最新鋭化のための設備投資を行うことができなかったのは、デフレ経済(需要不足)とグローバリズム(株主資本主義)の壁があったからだと思われます。