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議会報告 政治・経済

世界一の為替介入国家2017/03/14    

昨日のブログをご覧になってくださった方から、「(昨日のブログに掲載されている)中国の外貨準備高のグラフをみると、2013年をピークに減りはじめているようだが、いよいよ金持ち国家にも陰りが見えはじめたのか?」というご質問を頂きました。

まず申し上げねばならないのは、外貨準備高は「金持ち度」を図る尺度ではない、ということです。

CHINA(シナ)の外貨準備高が増えた最大の理由は、人民元安を維持するために行ってきた為替介入の結果です。

少し、説明が必要です。

経常収支(貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支)が黒字化すると、輸出入の決済は常に自国通貨不足=相手国通貨過剰になります。

例えば為替レートが1ドル=100円だったとします。

そのレートで、日本の企業が米国に100ドル(10,000円)の商品を輸出し、米国の企業が日本に8,000円(80ドル)の商品を輸出したとします。

話しを解りやすくするため、これ以外の貿易取引は一切なしと仮定します。

結果、日本は20ドル(2,000円)の経常黒字で、米国は20ドル(2,000円)の経常赤字です。

この状況で日本側がもつ100ドルと米国側がもつ8,000円を交換すると…

1ドル=80円になってしまいます。

経常収支が黒字化すると、輸出入の決済が常に自国通貨不足=相手国通貨過剰になるというのは、まさにこのことです。

本来、日本の企業は10,000円を貰いたいのですが、米国側は8,000円しかもっていないのです。

これだと米国に輸出した日本の企業は2,000円分の損をすることになります。

そこで日本政府は、2,000円分のドルを買う(円を売る)ことで調整し、1ドル=100円にするわけです。

これを為替介入といいます。

その結果、日本政府の手元に20ドルが残ります。

この日本政府の手元に残った20ドルが外貨準備として積み上がるのです。

CHINAの場合は固定相場制を続けてきましたので、貿易黒字(経常黒字)の分だけ為替介入をすることになります。

なので貿易黒字と同額の外貨準備が凄まじい勢いで積み上がっていきました。

このような巨額化したCHINAの外貨準備高は、貿易黒字ばかりを優先させてきた偏向的な外需依存経済の象徴でもあります。

あるいは世界一の為替介入国家としての象徴でもあります。

普通の国は、為替変動(介入ではない)によって輸出を増やしたり輸入を増やしたりします。

それを繰り返すことによって健全に経済成長していけば、CHINAのように外貨準備が不健全に積み上がっていくことはありません。

また、外貨準備を保有する利点は何かというと、もしも自国通貨が暴落の危機に陥ったとき、暴落を防ぐために自国通貨を買い支えできることです。

といいますか、それ以外には使い道のないカネです。(これを使わざるを得なくなったときは経済が崩壊するとき)

要するに外貨準備とは、為替介入に伴って発生した政府の外貨建て資産でしかなく、これをもって「金持ち」とは言えません。

では、国家における「金持ち度」はいったい何によって決まるのでしょうか。

国際的基準でいうと対外純資産になりましょうか。

対外純資産とは、国全体(政府、企業、個人)が外国に保有している資産から、外国が国内にもつ資産(日本にとって負債)を差し引いたものを指します。

世界の対外純資産額ランキングでいうと、日本国は断トツの1位です。

金持ち…という点でみれば、我が国のほうがCHINAよりはるかに金持ちなのです。

対外資産の一部である政府保有の外貨準備が世界一になろうとも、あまり意味がありません。

ただ、金持ちだからといって経済力があるという問題でもありません。

なぜなら、米国は世界一の対外純「負債国」だからです。

米国の経済力が世界で一番低いわけがありません。

金持ちの国…経済力がある国…外貨準備高が多い国…

それぞれに意味が全く異なるのです。